1987年、過去最大のニューヨーク株価下落率22.6%を記録した「ブラックマンデー」。その後、97年のアジア危機、98年のLTCM破綻などさまざまな金融市場の危機を人類は経験してきた。
危機克服のポイントは金融緩和にある。ブラックマンデーの翌日、米FRBのグリーンスパン議長は「経済と金融制度を支えるために十分な流動性を提供する用意がある」との緊急声明を発表。ニューヨーク連銀のコリガン総裁は大手銀行の首脳に電話し、資金繰りに窮する証券会社への貸付枠を増やすよう要請した。こうして資金不足から金融機能がマヒすることがないよう手を尽くし、不安の解消に努めた。これにより株価は反発、危機を回避した。
流動性の潤沢な供給という危機対応策は、その後、繰り返された金融危機でもつねにとられた。98年のLTCM危機の際は、連続3回の緊急利下げという金融緩和策がとられた。8月にはロシアで債務不履行が発生。「質への逃避」が加速し、格付けの低い債券をロング(買い持ち)し、格付けの高い債券をショート(売り持ち)していたLTCMの戦略は完全に裏目となった。
この記事は有料会員限定です。
東洋経済オンライン有料会員にご登録頂くと、週刊東洋経済のバックナンバーやオリジナル記事などが読み放題でご利用頂けます。
- 週刊東洋経済のバックナンバー(PDF版)約1,000冊が読み放題
- 東洋経済のオリジナル記事1,000本以上が読み放題
- おすすめ情報をメルマガでお届け
- 限定セミナーにご招待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら