松崎:このうち、教育費は純粋にお金の問題です。なぜならば2人だったら×2、3人だったら×3になる。そのままでは、とてもとても子どもたちに大学までの教育を受けさせることができない。そもそも浦安に引っ越してくる方は、教育に少しでも力を入れたいという思いがある。浦安は都心の私立学校にも便利に通えますから、家賃が高くても無理をして引っ越してくる方も多いんですね。でも子どもが2人、3人と増えると、教育費が負担できなくなってしまう。これはもう国の問題だ、ということで国会議員にもいろいろと今、要望を伝えているところです。
ただ、浦安市としてできることもある。市としてできる教育費支援ってなんだろうといえば、奨学金です。これを、来年の4月からは貸与から与えきりの給付型にしようと、今、最終調整をしているところです。市ができる教育の不安解消はここだけだと。
教育費支援策として、奨学金制度を
坂之上:奨学金はどのような仕組みなのでしょうか。
松崎:当然、浦安市民であることが条件です。無制限に支援をするわけにいかないけど、成績についても一定の条件をつけます。やる気も重要です。経済的に恵まれていないけれども、やる気のある子にはたとえば月2万円、与えきりでもう返さなくていいということをやっていく。
坂之上:なるほど。先ほどおっしゃった2つのニーズのうちの「子育てのストレス解消」については、市でもいろいろなことができそうですね。
松崎:乳幼児を2人も抱えちゃうと、本当にたいへんで、驚いたのは、お母さんが「私の髪の毛を見てください」と言うわけです。2年間、美容院に行っていないんですよ、と。お風呂に入れるのも1分30秒ですと。どうして5分入れないのかと聞いたら、旦那が夜遅いし、ポンッとひとりぼっちにした瞬間にもう泣き叫んじゃうので、すぐ出る必要があるのだ、と。そんなにすごいんだって思ったのですよ。本当に、自分の時間を持てないということがわかった。
そこで子どもの一時預かりの制度を変えました。1週間前の予約ではなく、その場で利用できる制度を、この10月からまず1カ所で始めました。予約なしで手続きも簡単、しかも0歳児から預けられる。最初の1時間は無料です。で、2時間目は500円、3時間目になったらまた500円という具合にして、最大3時間まで預かるようなことを始めたんですね。これは利用者の方からは泣いて喜ばれました。
坂之上:それはすごいですよ。すばらしい。
松崎:元町、中町、新町(浦安市の市街地の区分)のそれぞれで1カ所ずつ、計3カ所でもやろうと思っています。
坂之上:これはね、もうお母さんの気持ちをついていると思います。
松崎:だってお母さんから聞いたんですから。
坂之上:なぜかって言うと、母親はどこかでパニックしてるんですよ、いつも。ですから、手続きが大変だと、何もできないんです。
松崎:そうでしょうね、だって今まで1週間前の予約でしたから。
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