12月3日終値(日経平均は1万7720円)に対応する、東証1部の平均PER(株価収益率)は17.4倍であり、益利回りは約5.7%だ。これは、金利が0.4%であれば、長期的な名目成長率が2%程度あれば、5.7%+2%−0.4%=7.3%ものリスク・プレミアムがあり、「割安な株価だ」といえる。
だが、仮に自然に形成されるはずの長期金利が2%なのだとすると、5.7%そのものが株式のリスク・プレミアム(利益成長を経済成長率並みで一定と仮定した場合のもの)となって、「ほぼ適正」の水準だし(6%が標準と考えている)、仮に名目成長率が1%下がって1%になると、すでに「割高な株価だ」という判断になってしまう。
株価尺度のない、肝試し相場へ
もちろん、デフレ脱却が優先事項なので、特に長期金利の低位は金融政策で許される範囲だと筆者は思うのだが(注;公的年金の株買いは弊害が大きいので止めた方がいい)、今後ますます「尺度なき株高」の状況が続くとすると、「途中で降りてもっと高値があるともったいない」と思う一方、「不自然なまでに高めてくれた株価で売らないのはもったいない」と感じる心理もあり、どこまでついていくか。今後たぶん2015年の第1四半期にかけて「肝試し」のような展開になる可能性が大きい。
なお、総選挙の株価に対する影響は、自民党が単独で絶対安定多数の266議席を超えたら「安倍政権の勝ち」と解釈されて株高、それを下回るとすると、「政権は解散で自民党を弱くした」ということになり、減った議席数に応じて安倍政権の力と当面のアベノミクスの推進力が低下すると見られて、株価は下落するのではないかと考えている。
ただし、一時的に株価が下落することがあっても、大敗でなければ、2015年1−3月期には需給的な買いが優勢になって、株価は持ち直し、「肝試し相場」が再びやって来るのではないだろうか。
「アベノミクス相場にどこまでついていったらいいのか?」は、2015年を有利に気分良く生きる上での大きなテーマだ。
来る12月22日に開催される「東洋経済オンライン プレミアムイベント」の席で、本連載の共同筆者である、ぐっちーさん、かんべえ先生と共に、2015年どのようなヤバイ事が起こり得て、相場はどうしたらいいのか、美味いワインとウィスキーを飲みながら、皆さんと語り合いたいと思っている。
有馬記念の予想大会もある、年末の大放談会だ。是非お越し下さい!
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