中古マンション、都心は底値から4割高 一部エリアではリーマン前の水準を突破

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こうした事情を知ってか、足元では、売り手側が出し惜しみをする傾向が見られる。個人向け仲介で最大手クラス、住友不動産販売の14年度上期(14年4~9月)の営業利益は、前年同期比20.5%減少した。需要はあるのに、販売物件数が集まらないことがその主因。完全に売り手市場となっている。

ただ、中古マンションの価格は東京都心の千代田区で、今年9月には8304万円まで上昇し、リーマンショックの前のピークである07年9月の8044万円を突破した。09年4月の安値5850万円からは、実に40%超の上昇である。東京五輪で注目の湾岸エリアを含む江東区では9月の価格が3847万円で、07年12月の高値3918万円に接近している。

さいたまや千葉は横ばい

「バブルとは考えていないが、そろそろ警戒すべき水準。上昇がさらに加速する可能性は低い」と、東京カンテイの高橋雅之主任研究員は言う。

中古マンションの価格が上昇しているエリアは限られる。首都圏でも、さいたま市や千葉市は横ばい傾向。業績好調なトヨタ自動車のおひざ元でリニア新幹線への期待もある名古屋市も、価格上昇が鮮明なのは中心3区(中区、東区、千種区)のみ。名古屋市全体ではほぼ横ばいだ(上図)。

アベノミクスによる株高で潤ったのは一部の人。多くの人は物価高により実質給与が減少している。中古マンション価格の上昇は、あくまで局地的な現象といえそうだ。

(「週刊東洋経済2014年12月6日号<1日発売>掲載の「価格を読む」を転載」)

(撮影:今井康一)

藤尾 明彦 東洋経済 記者

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ふじお あきひこ / Akihiko Fujio

『週刊東洋経済』、『会社四季報オンライン』、『会社四季報』等の編集を経て、現在『東洋経済オンライン』編集部。健康オタクでランニングが趣味。心身統一合気道初段。

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