AOKI、多角化経営の実践と野望、紳士服市場縮小をカバー《新「本業」で稼ぐ》
理想は中堅優良企業連合 20以上の事業を模索中
10年度の出店計画はコート・ダジュールが16店、快活クラブは21店、大型施設のアニヴェルセルは5年内に目標8出店と加速させる方針だ。
多角化はこれで終わりではない。現在も五つほどの候補が挙がっており、「将来20社以上の舞台を作って中堅優良企業連合を構築し、1000年継続する企業を目指す」と青木会長は大構想を掲げている。
こうした多角化が成功するかどうかは、それを支える従業員の働きにかかっている。新事業について会社は、事業コンセプトである「生命美の創造」││人生のさまざまな場面で生命を美しく輝かせるお手伝いをする--に照らし、サービス業の範疇は決して出ないとする。
だが、その理念を従業員に理解させ続けることは容易ではない。
創業者の青木会長が強力なリーダーシップを発揮してきた同社。過去、紳士服を中心にM&Aで規模拡大を図ってきただけに、さまざまな遺伝子が流入している。
今年、03年に子会社化した紳士服のトリイ発祥の組合から労働組合員の8割超が脱退するなど、社内の不協和音も顕在化している。グループとして、将来に向けた大構想をどれだけ推進できるのか。そのハードルはますます高くなっている。
アニヴェルセルとヴァリックを軌道に乗せ、理想の企業像へ向けての第一関門は突破したAOKIだが、“中堅優良企業連合”構築への道はこれからが本番だ。
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(鈴木良英 −週刊東洋経済2010年11月27日号)
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