「ピーマン嫌い」にみじん切りで挑む親の深刻盲点 調理の工夫は根本的な解決にならない納得の理由

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《Q4 苦手な食材は年齢とともになくなっていく?》

4問目の答えも「×」です。

たしかに一般的には、苦手な食材は年齢とともになくなっていく傾向があります。それは、年齢が上がるにつれて、味覚を感じる細胞の味蕾(みらい)が減少し、味をマイルドに感じやすくなるからです。また、人は初めての物や初体験の事柄を本能的に拒絶しますが、生きていくうちにいろいろな食べ物に触れる機会があり、慣れていきます。

しかし、そうではない場合もあるので注意が必要です。

一番多いのは2歳前後の偏食です。「離乳食は順調だったのに終わってから急に食べなくなった」というお母さんの相談を何度も受けたことがありますが、2歳前後は味覚が発達する時期なので、さまざまな種類の味覚を強く感じやすくなり、食に偏りが出るのです。

保育関係者や食育関係者からすると「よくある話」なのですが、保護者の方は初めてのことなので、不安になりますよね。でも、それはむしろ順調に感覚機能が発達している証拠なので、安心してください。

大人になっても偏食が多い人のある傾向

《Q5 食べないものは食卓に並べないほうが良い?》

最後の問題も、答えは「×」です。

私は大人の偏食相談を受けることも多いのですが、大人になっても偏食が多い方に、ある傾向がありました。それは、家ではもちろん、小さい頃からお母さんがずっとお弁当を作ってくれていて、好きなものばかり出してもらっていたということです。

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あるお母さんが、「小学校1年生になったときに、幼稚園卒生と保育園卒生だと、給食に苦労する子は幼稚園卒生に多い」と教えてくれました。これはたしかに納得できます。なぜなら、保育園のほうが、給食で「初めてのもの」や「自分が苦手なもの」に触れる機会がとても多いからです。

そういったことからも、「苦手なものも食卓に並べたほうが良い」ことがわかります。しかし、ただ苦手なものに挑戦させるだけでは、嫌な記憶として残ってしまう可能性も高くなります。要は「正しい提案」を行うことがとても大切なのです。

山口 健太

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一般社団法人日本会食恐怖症克服支援協会代表理事、「食べない子」専門の食育カウンセラー、『月刊給食指導研修資料(きゅうけん)』代表・編集長。岩手県盛岡市出身。著書に『食べない子が変わる魔法の言葉』(辰巳出版)、『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』(内外出版社)、『会食恐怖症が治るノート』(星和書店)など。

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