「ピーマン嫌い」にみじん切りで挑む親の深刻盲点 調理の工夫は根本的な解決にならない納得の理由
子どもの小食・偏食はみじん切りでは解決しない
私のメソッドの一番の特徴は、調理の工夫の優先度を下げて、コミュニケーションの工夫で「食べない子」を「楽しく食べられる子」に変えるという点です。
「何でも好き嫌いなく食べられる子」はめったにいません。だから、「食べられない」ことの深刻さは理解されづらいものです。さらに「子どもの頃に食べられなかったものが、大人になってから食べられるようになった」という経験を多くの方がしているので、「そのうち食べられるようになるから大丈夫だよ!」と言われがちです。でも、そんなまやかしの言葉では解決できない、「本当に食べられない子」がいるのも事実です。
一般的には、ひどい小食や偏食など「食べない子」への対策といえば「調理の工夫」を、まず初めに考えるのではないでしょうか。たとえば、ピーマンが苦手な子がいたとします。対策として、ピーマンを細かく刻んで、こっそりハンバーグに入れました。結果、どうなるでしょうか?
その子は、ピーマン入りハンバーグを食べるかもしれません。しかしその後、他のピーマン料理も食べられるようになるとは限りません。そして、ピーマンを食べてもらうために、毎回細かく刻んでハンバーグに入れるという調理の工夫をし続けなければなりません。
……疲れちゃいませんか?
そもそも、世の中には料理が得意な人ばかりではないのです。調理の工夫は、料理が苦手な人にとっては特に苦痛です。料理が好きな人でも、食べてくれないと、「せっかくこれだけ時間とエネルギーを費やしたのに……」と落ち込んでしまったり、仮に食べてくれたとしても「ずっと、これを続けなければならないの?」と、疲れ果ててしまうケースもあります。これでは長続きしないし、なにより楽しい食卓にはなりませんよね。つまり、調理の工夫は、根本的な解決にならないのです。
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