モスが「引退後アスリート」の支援に光を当てた訳 モスバーガーの加盟店オーナーとして育成したい

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現在は経営コンサルタントとして活躍する高森勇旗さん(写真:モスフードサービス)

縁あって始めたのが、試合の配球を分析するデータアナリストだ。現役時代から、自分が受けた取材がどんな記事になるかに興味を持っており、スポーツライター業も開始。東洋経済オンラインでは「24歳でプロ野球をクビになった男が見た真実」(2014年12月26日配信)という大ヒット記事を放った。イベントディレクターやコピーライターも行い、2016年に起業した。

「現在は経営コンサルタントが中心です。元プロ野球選手との交流も続き、巨人の球団職員からアクセンチュアに行き、自ら起業した柴田章吾さんはその1人です」

昔の「プロ野球選手引退後の人生」を知る世代にとって、高森さんや柴田さんの事例は、時代が変わったと思うかもしれない。

実業団スポーツ全盛期は「社員選手」が中心

かつて「実業団スポーツ」全盛期には、各企業はとくにアマチュア野球、バレーボール、陸上(マラソンや駅伝)などの選手を多く抱えた。これらはメディア報道も多い人気種目で、大会で活躍する選手の応援などで職場も盛り上がり、社内の一体感が醸成できた。

当時は社員選手が中心で、引退後は社業に従事したり、チームのコーチやスタッフで残ったりする例も多かった。長年の歴史を持つ老舗企業ほどチームの維持に尽力した。

それが一部の競技はプロ化に踏み切り、多くの競技チームで、企業と選手との関係は昔に比べてドライになった。冒頭で紹介したように廃部に踏み切るケースも目立つのだ。

プロアスリートの場合、例えばプロ野球選手は、昔から引退後に飲食店を始めるケースが多かった。焼肉店やラーメン店などだが、繁盛店になった例は少ない。

近年は選手側の意識も変わってきた。NPBが2020年「第17回みやざきフェニックス・リーグ」に参加したプロ野球12球団の選手に「引退後のセカンドキャリア」に関するアンケートを実施したことがある(有効回答数233人)。

それによれば「引退後の生活に不安を感じている」選手は49.8%。「引退後どのような仕事をしてみたいか」では、「会社経営者16.3%」「高校野球の指導者15.5%」の順だった。

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