集中力の続かない人がよくやる6つのNGパターン 場所・休憩・BGMを戦略的かつ効果的に使おう

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同じ理由で、何かを覚えるときに音楽やラジオを流すのも逆効果。何かを覚えるなら無音がベストです。

反対に企画書を書いたり資料を作ったり問題集の問題を解いたりするアウトプット系の作業はどうでしょうか。ある研究では、軽いざわめきがあるほうが適しているという結果が出ており、カフェの店内程度が最適なのだそうです。

まとめると、インプット系の作業をするときは図書館・ワーキングスペース・自習室といった、周囲が静かに仕事や勉強、読書に取り組む環境が最適。アウトプット系の作業には、カフェのような空間がおすすめです。

集中力の持続には限界がある

NG3 休憩時間にダラダラSNS徘徊
NG4 休憩なしで一心不乱に勉強・仕事

集中力の持続には限界があるので、高いパフォーマンスを維持するには休憩も欠かせません。しかし上手に休憩を取れないと「休憩したらかえって集中が切れてしまった」「休憩を挟んだままついダラダラしてしまった」なんてことになりかねません。

私が最もおすすめしたいのは、動物の画像や動画を眺めることです。以前から動物を扱ったテレビ番組は人気があり、近年はネット上にも動物の画像や動画がよくアップされているように感じます。ストレスフルな社会環境が、無意識に動物に癒しを求める人を増やしたのかもしれません。

かわいい動物を眺めると本能的に心が癒されるのは理解できますが、じつは集中力も高まることが、大阪大学の入戸野宏教授の研究により判明しました。かわいいものを見ると脳内に「もっと見たい」「ずっと見ていたい」という欲求が生まれ「より細部までくまなく観察したい」という心理が生まれるそうです。つまり「かわいい」と感じることが、集中力を高める要因の一つになっているわけです。

さらに驚くことに、その状態はしばらく続くため、その後に仕事や勉強など別のことを始めても集中力が上がった状態を持ち越せるのだとか。別の海外の研究でも、かわいいと思うものの写真を見ると、脳内で「報酬系」と呼ばれる神経回路を構成する「側坐核」の活動が高まることがわかっています。側坐核は「やる気」「意欲」に関わる部位で、さまざまな快感情に影響を与えます。

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