大人の食物アレルギーに深く関わる「意外な職業」 成人の「10人に1人」が症状を持つ深刻な実態
成人食物アレルギーに深く関わる職業がある
特定のアレルゲンに頻繁にさらされたために、そのアレルゲンに対するアレルギーが成立し、その後になって食物アレルギーを発症するケースがあります。調理業や食品加工業などの食物関連の従事者ばかりではありません。
医療従事者、理・美容師、エステティシャンや主婦(夫)など、成人食物アレルギーの発症に深く関わっている職業があり、より一層の注意が必要です。
特に調理業や食品加工業の従事者は、特定の原因食物や食物関連たんぱく質を多量かつ頻繁に扱う業務のため、原因となる食物アレルゲンに触ったり吸入したりするなど、さらされやすくなります。これを「曝露」といいます。
特に多いのは、魚、甲殻類、軟体類などです。これらの食物に曝露されているうちにアレルギー症状が出るようになり、やがては食べた時にも症状が出るようになる場合があります。
食物アレルゲンにさらされる主なルートは、皮膚を介する「経皮曝露」と、鼻や気管支の粘膜を介する「経気道曝露」の2つです。
経皮曝露とは、食材を頻繁に素手で触って調理することにより皮膚から吸収されるルート、経気道曝露とは、食材を茹でたり焼いたりなどの調理によって、蒸気とともにアレルゲンがエアロゾル化して体内に吸入されるルートのことです。この両者が同時に存在するケースもあります。
職場環境、就業中の症状の有無や違いについての問診(病歴聴取)で、どのルートによるアレルギーなのかをまずは特定(同定)しなければなりません。
経皮曝露では、就業中に手のかゆみや膨疹を自覚している人が多くいます。特に手湿疹があると皮膚から吸収されやすいため、食物アレルギーを発症する可能性が高くなります。
経気道曝露では、就業中にくしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛みといった上気道(鼻や喉)の症状や、痰、咳、息苦しさといった下気道(気管支や肺)の症状を自覚している人が多くいます。
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