自動車関連ではほかに、5位デンソー(6902)、8位ホンダ(7267)、38位いすゞ自動車(7202)などが上位に顔を出した。
2位には、半導体製造装置の世界的メーカーである東京エレクトロン(8035)が入った。時価総額は直近1年間で1兆9211億円増と、コロナ禍1年目の3兆3368億円増に続いて拡大した。
ほかにもランキング上位には、活況が続く半導体関連銘柄が数多く並んだ。半導体マスク欠陥検査装置に強いレーザーテック(6920)は、2年連続で時価総額を7000億円超増やした。富士通の子会社で半導体パッケージ大手の新光電気工業(6967)も37位に入り、利益成長が加速する中で株価が長期上昇トレンドを描いた。
海運、鉄鋼など市況高を受けて業績が急回復した銘柄も上位に顔を出した。銀行や商社をはじめとしたPER(株価収益率)などが割安水準で、配当利回りも高いバリュー株も目立った。
例えば、6位日本郵船(9101)や15位商船三井(9104)は大幅増配の見通しで、今2022年3月期の予想配当利回りは1割水準に達している。海運大手の株価は急反発したが、それでも割高感がないのは、これまでの市場の評価が低すぎたともいえそうだ。
金融緩和政策終了へ、高利回り銘柄が人気化
継続的で積極的な配当政策が評価されたのが、銀行や保険、リースといった金融関連だ。
11位東京海上ホールディングス(8766)や22位MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)など、コロナ禍1年目に人気のなかった損保株は2年目に躍進。とくに東京海上HDは、1年目に4300億円以上も時価総額を減らしながら、2年目には8900億円以上も時価総額を増やしている。高利回り、株価指標面の割安感がしっかり評価されたようだ。
23期連続増配が見込まれる30位三菱HCキャピタル(8593)も、コロナ1年目は時価総額を減らしたが、コロナ禍2年目に評価を高め、直近1年間で時価総額を3672億円増やした。それでも予想配当利回りは4%を超す水準を維持している。
バリュー株人気といえども、依然として割安圏に沈む銘柄は多い。とくに業績の急回復でPERが極端に低くなっている銘柄が目立つ。その一方で、インフレが進行するアメリカで利上げが始まるなど、金融相場の終焉で緩和マネーの流入が期待できない局面に入った。引き続き業績動向に加え、指標面も意識した銘柄選別が必要となりそうだ。
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