FOMCインフレ抑制に政策金利0.25%引き上げ 年内残る6回の会合全てで利上げ実施を示唆

拡大
縮小

米連邦公開市場委員会(FOMC)は15、16両日に開催した定例会合で、政策金利を0.25ポイント引き上げることを決定し、年内残り6回の会合全てで利上げを実施することを示唆した。経済成長へのリスクは強まっているものの、40年ぶりの高インフレに対応するため利上げサイクルをスタートさせる。

FOMC声明:継続的引き上げが適切に、ロシアの侵攻は物価上昇圧力

FOMCはフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標を引き上げ、0.25-0.5%とすることを賛成8、反対1で決定。利上げは2018年以来となる。反対したのはセントルイス連銀のブラード総裁で、0.5ポイントの利上げを主張した。FOMC会合の決定に反対票が投じられたのは2020年9月以来。

グッゲンハイムのスコット・マイナード氏が米金融政策について話しますSource: Bloomberg

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長はFOMC会合後の記者会見で、「米経済は極めて力強く、金融政策の引き締めに対処する態勢がしっかり整っている」と指摘。「インフレとインフレ期待にさらなる上向きの圧力がかかるリスクにわれわれは留意している」と述べた。さらに、当局は必要に応じて政策引き締めの動きを加速させることもあり得ると語った。

FOMCは声明で、FF金利「誘導目標レンジの継続的な引き上げが適切になると見込む」としているほか、パウエルFRB議長も「機敏」に行動すると改めて表明したことから、今回の利上げを皮切りに年内に複数回の利上げが行われる可能性が高い。

次ページウクライナ侵攻は短期的にインフレを一段と押し上げる
関連記事
トピックボードAD
マーケットの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT