サーモンが5分で「本格蒸し物」電子レンジの凄技 蒸し器を用意しなくても完璧に仕上がるワケ

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サーモンの清蒸(写真:『ぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引き』より)
NHK「みんなのきょうの料理」「おはよう日本」「趣味どき!」などに出演し作家としても活躍する料理家・樋口直哉さんが、「ふつうの材料で、最高においしい家ごはん」として料理の新常識を提案します。書籍『ぼくのおいしいは3でつくる 新しい献立の手引き』から一部抜粋、今回はサーモンの清蒸の作り方を紹介します。

蒸し料理は電子レンジで

電子レンジは過少評価されている調理器具です。以前、イベントで家電メーカーの方とお話ししたときも電子レンジに関わっている方は「本当はもっと色々とできるんですけどね」とぼやいていました。上手に使われていないのは、仕組みが理解されていないから。普及率は100%近いのですから、学校の授業で教えればいいのに、と思います。

電子レンジは英語で「Microwave oven」(マイクロ波オーブン)と呼ばれ、その名前のとおり、マイクロ波を食材に放射することで、食材を加熱する仕組みです。ちなみに電子レンジという名前は当時「電子機器という言葉もあるし、なんとなく高級な感じがする」ということでついたそう。マイクロ波の性質を知るのがレンジ調理の鍵です。マイクロ波は金属に当たると反射し、紙やガラス、陶磁器などは通り過ぎる性質があります。

電子レンジにかけると食材が加熱されるのは、マイクロ波が食品内の分子を回転させ、その運動が熱エネルギーになるからです。フライパンやオーブンといった通常の加熱では、外側から熱が伝わりますが、マイクロ波の場合は全体的に加熱されます。水分子は動きやすく、しかも酸素を中心に2つの水素(双極子)が104.5度という角度でつながっている関係で回転しやすいので、マイクロ波を通すと温度が上がりやすい特性があります。

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