「Apple Watch」は、意外に大化けするかも iPhoneとの連携で何ができるのか

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1つのアプリが複数の通知の使い方を利用できる。アップルのプレスリリースに掲載されていた例によると、ESPNアプリでは好きなチームのスコアや情報を配信したり、グランスで試合の速報を提供するなどの利用ができるという。

また、Instagramの例では、アクション通知を利用して、最新の友人の写真にその場で「いいね」や絵文字によるコメントを返すことができるそうだ。American Airlinesアプリでは、自宅から空港へ出発する時間や搭乗ゲートの変更、乗り換えゲートの案内、搭乗開始などの通知を受け取ることができるそうだ。

iPhoneをいっそう便利にするデバイス

アップルは今回のWatchKit公開によって、開発者がどのようなアプリをApple Watch向けに作ることができるのか、どんな機能を利用者に提供できるのか、という「定義書」を提供する事になった。もちろん、具体的な事例もいくつか示している。
アップルが提供しているWatchKitの開発ビデオでも触れられているが、開発者がもし現在iPhone向けのアプリを提供している場合、そのアプリを拡張してApple Watchへの対応を行うことができる。特に、iPhoneアプリがメインであるなら、Apple Watchにどんな通知やグランスを送り込むかを考える事が主たる作業だ。

開発環境も、Xcode上で、新たな画面と動作を組み込むだけで良いため、ゼロからアプリを作り直す必要はない。Apple Watchが発売されるまで、仮に4〜5カ月あるとすれば、アップデートを行っているアプリがApple Watchへ対応することは、技術的にも時間的にも、さほど大きな障害がないことを意味する。

もちろん、iPhoneのアプリが手首のApple Watchに対して何ができるか、どんなユーザー体験がふさわしいかを考え、実際にユーザーからのフィードバックを得ながら成熟させていく必要はあるが、数多くのiPhoneアプリがApple Watchに対応してから、Apple Watchが市場投入される環境が作られそうだ。

Apple WatchがiPhoneアプリの「通知」窓や「リモコン」のように動作するようになると、ますますiPhoneを核としたMac、クラウド、自動車、家電、スマートホームなどとの連携が重要になってくる。こうした中でApple Watchは、「iPhoneをいっそう便利に操ることができる、もっとも身近なデバイス」というポジションを目指していくことになるだろう。最新のiPhoneが大ぶりになっただけに、必須デバイスとして大化けする可能性は十分にありそうだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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