パリ渡航して痛感「日本のコロナ対策」の超非効率 帰国時のペーパーワークもあまりに多すぎる

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24時間営業で抗原検査を受けることができたパリ市内の薬局。若者中心に大勢の人々が順番待ちしていた(写真:筆者撮影)

国際統計サイト「Worldometer」の11日時点のデータによれば、日本の人口比当たりの検査件数は、世界133位に甘んじている。日本でも街中のドラッグストアで手軽に抗原検査を受けることができたなら、市中感染の早期発見につながり、どんなによかっただろうか。今からでも遅くない。フランス並みにどこの薬局でも抗原検査が受けられるようにできないものか。

なお、こうした薬局での抗原検査を受ける際には、一切のペーパーワークがなかった。店頭にあるQRコードを自分でスマホで読み取り、住所、氏名、誕生日などを入力する。日本では、ペーパーに鉛筆で予診票を記入させられたが、フランスではすべてデジタル化されていた。フランス語が読めずに入力に戸惑っていると、薬局店員が丁寧に教えてくれた。フランスにできて、日本でできないはずがない。

さらに、こうした検査結果の情報は、前述のスマホアプリ版のワクチンパスとも一体となっており、それで陰性証明をデジタル表示できる。日本のように、手書きのワクチン接種記録用紙や陰性証明用紙がなく、とことんペーパーレス化し、デジタル化されている。

パリからの日本帰国時には、フライト出発前72時間以内のPCR検査が義務付けられていた。こちらは抗原検査と違って、どの薬局でも受けられるというわけではなく、検査用のメディカルセンターに行かなくてはいけなかった。検査代は44ユーロ(約5600円)と、抗原検査よりも割高だった。ここでも用紙への記入は一切なしで、空港の自動チェックイン機のようなものに住所、氏名、生年月日を入力するだけだった。検査結果はメールで送られ、そこに記されたリンクをクリックすれば、ワクチンパスでも陰性証明が表示されるようになっていた。

パリ市内のPCR検査センター(写真:筆者撮影)

ところが、このEU公認のワクチンパスに表示されたPCR検査陰性証明を、シャルル・ド・ゴール国際空港の日本航空(JAL)チェックインカウンターは認めてくれなかった。日本政府規定の用紙に記入されていないとの理由だった。

このため、筆者は同空港内のメディカルセンターに行き、そのワクチンパスに表示された陰性証明書をフランス人医師に見せ、日本独自の指定用紙に記入してもらった。しかし、フランス人医師がやっているのは、デジタル版陰性証明書の情報を、右から左に日本政府指定の用紙に書き写し、最後に署名をするだけ。この日本独自の指定用紙のために、25ユーロ(約3200円)も費やした。

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