ザ・クオンツ 世界経済を破壊した天才たち スコット・パタースン著/永峯 涼訳~思い知らされるリスク管理の難しさ

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 その結果、リーマンショックの1年前の2007年8月に、一見まったく関係ないサブプライム問題が換金化の連鎖反応を引き起こし、「クオンツの股裂き」が起こる。売りが売りを呼び、下げたはずのリスク水準が、資産価格の下落によってまた元に戻ってしまう、「起こるはずないこと」が起きる。その時の彼らの混乱ぶりも活写され、同時に混乱の中でのリスク管理の難しさを思い知らされる。

読者はクオンツ運用のすごさと、一方でそれの持つ陥穴を名うての運用者に実際に起こったことで一気に読むことができる。教訓に満ちた一冊である。

Scott Patterson
米ウォール・ストリート・ジャーナルのスタッフリポーターとして活躍中。金融業界の最新テクノロジーに詳しい。本書が初の著作。

角川書店 2310円 435ページ

  

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