中国の全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が5日、北京で開幕する。李克強首相が政府活動報告で示す2022年の国内総生産(GDP)成長率目標は約30年ぶりの低い伸びとなりそうだ。需要喚起と雇用創出を目的に財政刺激策を強化する必要性は高まっている。
昨年後半から勢いを失い始めた中国経済
中国共産党は今年秋に5年に一度の党大会を控えており、慣例を破って最高指導者として3期目を目指すと見込まれる習近平総書記(国家主席)にとって景気動向は政治的に重要だ。
中国経済は昨年後半から、住宅市場の低迷や新型コロナウイルス感染再拡大、消費の不振などで勢いを失い始めた。当局は商品相場の高騰に加え、最近ではロシアのウクライナ侵攻に伴う地政学的緊張への対応も余儀なくされている。政府は追加の刺激策で景気安定化に取り組んでいるものの、今のところ効果は乏しいもようだ。投資家は政府と中国人民銀行(中央銀行)による政策措置拡充を注視している。
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