意外と知らない「人気のITツール」のリアルな評判 コロナ禍で普及、ユーザーは何を使っているのか
「Web会議」で圧倒的な認知度を誇るのが、アメリカのズーム・ビデオ・コミュニケーションの「Zoom」とマイクロソフト「Microsoft Teams」だ。その次に、シスコシステムズの展開する「Webex by Cisco」、グーグルの「Google Meet」などが続く。
Zoomは認知度だけでなく、満足度も高い。その理由は、ユーザーが書いたレビューを見るとわかる。
・Skypeをうまく扱えない人でもZoomならまだ楽に使用することができる。
・通信状況も良い(画質、音声)、途切れにくい。
・機能的にも画面共有など充実しており、無料で使えるのが驚き
同じくMicrosoft Teamsは、Office365と連携して使える利便性や、安心感が評価されている。ただしレビューには「社外との連携の難易度が高い」という声もあった。
満足度が高いノルウェー発の「Whereby」
認知度ではこれらに劣るものの、ITreviewにおける満足度でMicrosoft TeamsやGoogle Meetを上回るのが、ノルウェー発の「Whereby」だ。
支持されるのは、圧倒的なシンプルさである。Googleアカウントなどで登録し、固定URLを設定したら、あとはそのリンクを相手に送るだけ。リンクは使い回せるので、都度発行する必要もない。相手側は送られてきたリンクをクリックすれば参加できるので、専用アプリケーションのダウンロードすら覚束ない相手でも問題なく使える。
無料版では録画ができないなど、機能は必要最低限に絞られるが、レビューの7割が中小企業のユーザーからで、オンラインで話す以上のことまで求めない層にとっては、そのほうが使いやすいのだろう。
カテゴリー全体としては、ZoomとマイクロソフトのTeamsが利用率の8割を占めており、企業規模が大きくなるにつれ、TeamsがZoomのシェアを奪う形になっている。
「Microsoft のアカウントと連携しているため Office365 や Active Directoryなどとの連携が行いやすいところかなと思います」というレビューが示すように、システム部門にとってはマイクロソフトのユーザー管理機能と連携して権限などの設定ができるTeamsのほうが運用しやすい。
Outlookのカレンダーやメールとも連携しやすく、ユーザーの使い勝手もいい。セキュリティの理由でZoomを禁止する大企業も依然としてある。
マイクロソフト製品を法人契約で大規模に導入している大企業にとっては、Teamsを使う必然性が高くなる。
両方をよく使う筆者の実感としては、Web会議ツールそのものとしては、Zoomのほうが使いやすい。例えば、参加者を複数のグループに分けるブレイクアウト機能はZoomのほうが直感的に扱える。
一方、Teamsは、オンライン会議だけでなく、Slackと同様の非同期でのコミュニケーション機能も持っている。関係者のグループを作っておけば、毎回同じメンバー、同じリンクで会議ができ、チャットのやり取りも蓄積できる。複数回のクラスがあるオンライン研修や、プロジェクトなどでは、この機能が便利だ。
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