意外と知らない「人気のITツール」のリアルな評判 コロナ禍で普及、ユーザーは何を使っているのか
最後に「会計ソフト」を見ておこう。
クラウド会計ではマネーフォワードの「マネーフォワード クラウド会計」、フリーの「クラウド会計 freee」といったクラウド会計ソフト、PCにインストールするパッケージソフトでは弥生の「弥生会計」、ソリマチの「会計王」の認知度が高い。
クラウドなら、実績数値やレシートなどの証憑ファイルだけでなく、外部サービス連携により、銀行口座やクレジットカード利用実績といった情報もリアルタイムに共有される。これにより、会計業務を請け負う税理士は、事前に決算をほぼ固めて打ち合わせに臨め、顧客企業にとっても大幅な効率化となる。
弥生や会計王も対抗してオンライン版を提供してはいるものの、外部サービス連携には別ソフトが必要、同じ会社の別製品とすらデータ連携ができないなど、オンラインを前提に設計されているクラウド会計サービスには見劣りする。
パッケージ型の強みは、長い歴史の蓄積により実用的な機能が充実している点だ。オンラインで外部と情報を共有する必要性が低いなら、パッケージにも優位性がある。
マネーフォワードとfreeeの違いは?
マネーフォワードとfreeeの違いはどこか。両方利用した人のレビューには「freee会計は本能的、マネーフォワード クラウド会計は論理的」とある。実際、それぞれを使って中小企業の会計業務を請け負う人に話を聞くと、「マネーフォワードは複式簿記のような画面で入力、分析できるので会計のわかる人には使いやすい」と話す。
一方、freeeは「ほぼ会計の知識が無くても作業を行うことが出来る分かり易さはありがたい。独自の仕訳などがあるのが、初心者にはやりやすい反面、経験者には少々分かりづらい」というレビューが示すように、経験者にとっての使いやすさを犠牲にしている面がある。
経理の知識に乏しい人が入力するならfreee、経験者に頼めるならマネーフォワードというのが、両者のすみ分けになりそうだ。
どのカテゴリーでも、主要なツールは何かしらですみ分けをしている。その境界は、Web会議なら、例えばマイクロソフト製品ユーザーか、継続するグループで使うか、電子契約なら企業規模や取引先、会計システムなら外部連携の必要性や経理経験者の有無など、それぞれ異なる。
最近のITツールは月額で固定費がかかることも多く、使い慣れてデータもたまったものからほかに変えるのもハードルが高い。自分にとっての本当の使い勝手は、カタログやWeb記事だけではわからない。
月額課金型のITツールは無料で試せることが多く、今回取り上げたクラウド型のサービスには全て無料プランがある。レビューを参考に候補を絞り、実際に使ってみて、自分にとって最適なツールを選ぶといいだろう。
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