ロシアとウクライナの「姉妹都市」それぞれの葛藤 双方と縁が深いドイツ自治体のリアルと思惑

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ロシアによる侵攻が始まった2月24日、ドイツではその日のうちに反戦や、ウクライナへの連帯を示す集会やデモを行った自治体が多い。が、悩ましいのはロシアとウクライナ、双方に姉妹都市がある自治体だ。

筆者が住むエアランゲン(バイエルン州、人口約11万人)はロシア・ウラジミール(ウラジミール州州都、人口約40万人)と冷戦時代から姉妹都市関係がある。頻繁に行き来があり、旅行者だけでなくジャーナリストや学生などの交流があるほか、ロシア側の姉妹都市から若者のロックバンドが交流のためにやってきて、演奏をすることも。

1995年にはウラジミールに交流拠点として「エアランゲン・ハウス」が作られた。ここにはドイツ語コースもあり、その立ち上げにドイツ側から市民教育機関のスタッフが数カ月滞在したこともある。エアランゲンの市民や企業の寄付でウラジミールの公共交通機関整備の支援なども行っている。

ウクライナ侵攻以降、やりとりが途絶えた

侵攻が始まる約1週間前に、エアランゲン市長はウラジミール側とオンラインで対話を行っている。対ウクライナに対する見方はお互い違っていたが、そのポジションを相手に納得させるような話はせず、とにかく、お互いの信頼と良好な関係を続け、連絡を取り合うことを約束した。

しかし、24日の侵攻以降、その約束は果たせずにいる。ウラジミールとの交流を担当しているペーター・シュテーガーさんは、「ウラジミール側にも、戦争による混乱がある。そして、私たちと連絡を取ることに対して当局の監視があるのではと怖がっている人もおり、交流はストップしている」(2月26日時点)と肩を落とす。

ドイツ中部のグーテスベルク(ヘッセン州、人口約1万人)は、ウクライナ最西端のシュチレッツ(リヴィウ州、人口約5800人)と姉妹都市を結んでいる。

最初は文化交流が中心だったが、欧州連合(EU)とウクライナとの連合協定の中の資金プログラムを用いて、ウクライナ側の上下水道の建設や、消防隊の設立支援と消防車の寄付、地形調査など都市開発の基礎部分も支援している。今年はポーランドの姉妹都市も交えた3都市で行う音楽プロジェクトや、毎年行っている若者の交流プログラムも予定していたが、すべて難しくなっている。

2月28日付、ドイツ・グーテスベルク市のサイトによると、市長はウクライナ側の市長との最後のオンラインの対話について報告。すでにそのとき、ウクライナ側の市長は予備役のために戦闘服を着用していたという。

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