ウクライナ侵攻「正しい情報」見抜くプロの読む力 「陰謀論、間違った情報」にだまされない秘訣

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私が提案するのは、基点は「1つ」ではなく「2つ作る」ことである。

【1】自分が以前から著書などを読んで「信頼できる」と感じている専門家のアカウント
【2】公的な研究機関などのアカウントや、その分野で権威のあるメディア

今回の場合、私は【1】については、『倫理的な戦争―トニー・ブレアの栄光と挫折』という素晴らしい本を書いている慶應義塾大学の細谷雄一さん、『「帝国」ロシアの地政学―「勢力圏」で読むユーラシア戦略』で第41回サントリー学芸賞(社会・風俗部門)を受賞した東京大学の小泉悠さん、地政学の大家エドワード・ルトワックの本の翻訳で知られる奥山真司さんといった人たちを「スタート地点」にした。

この人たちのツイッターのアカウントをまず「ウクライナ情勢」リストに入れ、追いかけていく。

そこからこの人たちが書いている記事や、紹介しているほかの専門家の記事、ツイッターでリプライを好意的に送っているアカウントなどを発見しては、随時リストに追加していくという方法を採ったのである。つまりは「芋づる式」のリスト作成である。

「芋づる式」で陰謀論サークルにはまる危険性も

しかし、この方法だけだと、1つ難点がある。それは「『スタート地点』でうっかり陰謀論者にはまってしまうと『芋づる式』に陰謀論のサークルにはまり込んでしまう危険性がある」ということである。

陰謀論の人たちは、陰謀論の人たち同士で仲良くしていることが多いのだ。それは、過去、たとえば過激な反原発カルトになってしまった人たちもそうだったし、反ワクチンの人たちもそうだった。

今回のウクライナ侵攻でも、ロシアのプロパガンダを鵜呑みにして陰謀論にはまっている人たちはお互い仲良くしているのをよく目にする。そして、反原発カルトと反ワクチンとロシアプロパガンダの人たちは、けっこうメンバーが共通しているように見えるのも驚くべきことである。

そこで、こういう陰謀論サークルにはまり込んでしまう危険性を避けるために、「【2】公的な研究機関などのアカウントや、その分野で権威のあるメディア」を「スタート地点」に加えることが大切になってくる。

次ページなぜ「陰謀論サークル」にはまり込まないか?
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