不登校になったわが子に「父親が言いがちな失言」 口から出てしまう「社会で通用するのか」

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息子にとっては、パソコンが何よりの原動力だったんですね。その後皆勤賞をはたし、卒業しました。現在は専門学校に進学して、自分の夢に向かってひたむきにがんばっています。

そんなふうに、息子が自分の人生を歩めるようになったのはうれしいことですが、僕らのスタンスはこれからも変わりません。もし息苦しくなったときには、いつでも戻って来られるような家であり続けたい。僕らが生きているかぎりは、そうしようと思っています。

――不登校で悩む父親に向けて、メッセージはありますか。

まずは自分の考えを隅に置いといて、子どもに人生を委ねる勇気を持ってほしい、と伝えたいです。多くの父親は子どもに自分の生き方をそのまま継承させたい欲が、どこかにあると思うんです。自分が経験してきたことを根拠に、わが子に教え、育てたいという要求です。逆に自分が経験していないことは「やってみろよ」となかなか言えません。

市川明さん

子どもの人生 本人に任せる

でも、それって子どものためになるのでしょうか。 不登校の経験をして僕が学んだことは、子どもは学校へ行こうが行くまいが、ひとりの人間であることに変わりはなく、自分の人生を歩んでいける力を持っているということです。だから、わが子というだけで充分に信用してあげるだけの価値があると思って、あとは本人に人生を任せる。何か困ったときには手伝ってあげる。結局そこに尽きるのかな、と。

それに不登校になることを受けいれる期間が短ければ短いほど、家族全員が不登校で苦しまなくてすみます。だから父親のみなさんには、できるだけ早く、不登校を受けいれてあげてほしい。そのためにも、「ぼちぼち・ちちの会」では、父親のみなさんをサポートできる場にしたいと考えています。ときには家庭内で空まわりして浮きがちなこともあるけど、それでも父親だからこそ、できることだってあるはず。みんなで思いをわかち合いながら、情報共有できるハブのような会にしていきたいですね。

――ありがとうございました。(聞き手・木原ゆい/撮影・矢部朱希子)

ぼちぼち・ちちの会【毎月第3土曜日20時~22時に開催】
お父さんどうしで語り合う場です。先輩お父さんから、悩み中のお父さんはもちろん、お母さんや支援者の参加も大歓迎。ぜひ、お父さんへ忌憚のないご意見をください。
※安心してご参加いただくために「とまり木オンラインサロン」のメンバー限定企画となります。「ぼちぼち・ちちの会」以外のオンラインサロンやオンライン講座も参加可能です。月額1000円(税込)で、いつでも入会できます。
【プロフィール】市川明(いちかわ・あきら)
東京都小金井市在住。設計デザイン事務所経営。長男の不登校をきっかけに、不登校支援の活動を始める。2021年9月からは不登校の父親向け「ぼちぼち・ちちの会」を主催。また、経営者としての経験を活かして、地元事業者方の協力のもと「働くこと」をテーマに、不登校向けのイベントなどを企画運営も開始。

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不登校新聞

日本で唯一の不登校専門紙です。不登校新聞の特徴は、不登校・ひきこもり本人の声が充実していることです。これまで1000人以上の、不登校・ひきこもりの当事者・経験者が登場しました。

また、不登校、いじめ、ひきこもりに関するニュース、学校外の居場所情報、相談先となる親の会情報、識者・文化人のインタビューなども掲載されています。紙面はすべて「親はどう支えればいいの?」という疑問点から出発していると言えます。

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