会社員なら知っておきたい将来減る「3つの収入」 これらを当てにせず将来設計することが大事
正社員と非正規社員の仕事内容や責任の程度が明らかに異なる場合は、給与に差があっても問題ありません。しかし同じであれば、非正規社員の給料も正社員に近づけなくてはならないとされています。言い換えれば、正社員か非正規社員かといった身分の差があるだけでは、差をつけてはいけないのです。
ここで問題となるのが手当です。
手当を廃止すればよいと考える企業も
家族手当は役職にかかわらず、扶養家族がいれば支給されます。非正規社員でも扶養家族がいれば、その人たちに手当を支給しないのは不合理と判断されるため、今後、企業は非正規社員にも家族手当を払う必要があります。正社員にのみ転勤制度があり、単身赴任をしている人に住宅手当を払っているのであれば問題ないですが、皆勤手当や食事手当などは仕事の難易度などは関係なく支給されるものなので、非正規社員にも払わなくてはなりません。
今まで正社員にのみ支給していた手当を非正規社員にも支払うとなると、企業には大きな負担がかかります。そこで、手当そのものを廃止すればよいと考える企業も出てきているのです。
働く女性や非婚者の増加により、家族手当の制度自体が時代に合わなくなってきているという意見もあります。一定の年齢になれば役職に就けた年功序列制度同様、要件さえ満たせば仕事の成果とは関係なく支給されていた手当の制度は、縮小されていく方向にあるのです。
非正規社員との差を指摘されないように、手当という名目ではなく、給与や賞与に上乗せして正社員にのみ払おうとする企業もあります。「手当が給与や賞与に変わるだけなら、別に問題はなさそうだ」と思う人もいるかもしれません。毎月の給与に上乗せされるのであればよいですが、賞与に上乗せされる場合は要注意です。
賞与は「ボーナス」や「一時金」とも呼ばれ、一般的には「基本給×月数×評価係数(個人の勤務成績)」といった計算式で算出されます。
ただし毎月の基本給とは異なり、何パーセントまで減額してはいけないとする規定が労働法にはありません。会社の業績によっては、支給されないこともありえます。
また、評価によって額が上下する恐れもあります。そのため住宅ローンなどを組む際は、将来の収入シミュレーションから賞与は外したほうが得策です。住宅ローンが払えなくなって持ち家を手放す人は、賞与による多額の返済を見込んでいたケースが多いのです。
次は、「残業代」です。
月給制の場合、残業代は月給を所定労働時間で割って、「残業時間×1時間あたりの基礎賃金×割増率」で求められます。割増率は25%以上で、深夜の時間帯(夜10時から翌朝5時まで)は、50%になっています。また、月に60時間以上の残業をした場合も50%増しにしなければなりません。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら