「紅三代」の憧れは、ジャック・マー 80年代生まれの革命エリートが漏らす本音

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独裁国家には監督機能がない。自分たちで法律を制定して施行し、さらに自分を自分で監督するというのは、非常に難しいことだ。アメリカの制度が必ずしも中国に合うとはいえないが、少なくとも三権分立の理念は、現在までのところやはり非常に完成されていると思う。

今、中国では腐敗撲滅が大大的に行われている。確かに腐敗の状況は深刻だし、腐敗撲滅は必ず通らなければならない道だろう。でも今期の指導者がそれを行っているのは、彼らが非常に英明だからではなく、むしろそうしなければ、すでに多くのことを次の段階に進めることができなくなっているからだ。

またこれはあくまでキャンペーンであって、制度を根本から変えるものではない。本当に制度を変えようとするなら、民主の方向性でなにがしかのことをすべきだ。中国は経済面で大きく変化したが、政治面での改革は遅い。この改革がなければ、役人は公民(国民)に対して無責任で、効率も低いままだろう。

それから指導者には、よりオープンな態度で世界に向き合ってほしいと思う。あまり「中国の特色」ばかりを強調しすぎないでほしい。

ただ、そうは言っても、僕は自国を卑下するわけではない。建国以来、少しずつ改善されてきたし、たくさんの変化もあった。僕らがここでこうして、こんな話をできるのもひとつの変化だ。

世界は多彩だし、多様に満ちていて、各民族にはそれぞれのよさと欠点がある。中国人はハートが熱く、度胸がある。一方、日本は細かいことが得意で仕事はとても丁寧だ。中国の工業の最大の問題は精度に欠ける点だと思う。日中間では歴史について、確かに矛盾があるが、それはさておき、日本に学ぶことは多いと感じている。

以前の理想は、将軍になることだった

――劉さん自身の夢は?

僕は軍人一家の出身なので、以前の理想は祖父や父たちのような将軍になることだった。でもご存じの通りの自由主義者なので、最終的にその理想は自分が本当に欲しいものではないと気づいたんだ。

僕は歴史や人間に興味があるし、好奇心もある。投資の仕事がすごく好きだ。だから今の夢は、まずはこの仕事をきちんとやること。

中国経済はここ数年あまりよくない状況が続いているけれど、もう一度、盛り上がってほしいと願っている。経済の発展は国にある種の変化をもたらすし、豊かになることで、国民の素養や国の包容性も上がる。もちろん僕自身にとっては、経済的自由を手に入れられるようになる。

中国経済がダメになるという話はもう何年も前からあるけれど、僕はあまり悲観していない。なぜなら十数億もの中国人が抱く富と生活レベルの向上という欲求は、他の国の人よりはるかに強烈だから。かくいう僕自身、今日は深夜2時に北京に戻り、そのまま早朝から仕事している。

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