NTTドコモのiコンシェル、成熟市場の突破口となるか

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 しかも、月々の通信料金を徴収するための課金機能も備えており、保有する情報を容易に収益につなげることができる。位置情報連動広告は、まさにドコモのような大手通信キャリアにとって、おあつらえ向きのビジネスチャンスといえる。

ライバルはネット企業 プライバシー侵害リスクも

だが、市場が立ち上がろうというこのタイミングで、業界の一大変動がキャリアの商機を脅かさんとしている。スマートフォンの台頭だ。

つねにユーザーの位置を把握しているキャリアに対し、ウェブ上でコンテンツやサービスを提供するネット企業が位置情報を得られるのは、ユーザーがアクセスしてきた時のみ。

しかも、旧来のネットワークであるiモードにおいては、端末とコンテンツプロバイダの間に、ゲートウェイサーバーが置かれ、キャリアはユーザーがどのコンテンツを利用しているかを把握することができた。

ところが、スマートフォンではパソコンと同じく、オープンなインターネットに接続する。ゲートウェイを介さないため、キャリアはコンテンツプロバイダが端末の位置情報を何に使っているか把握できない。そのため「キャリアの優位性は相対的に低下する可能性がある」(『ライフログビジネス』の著書がある、オプトの寺田眞治海外事業本部長)。

こうした好機を、世界のネット企業大手が手をこまぬいて見ているわけがない。グーグルのエリック・シュミットCEOはユーザーの嗜好と現在位置に基づいた情報配信を行っていく意向について、過去にたびたび言及。また米国では「フォースクエア」など、位置情報に特化したSNSもすでに人気を集めている。

ドコモとしては一刻を争うところだが、ユーザーの行動履歴の活用について慎重な姿勢を崩していない。ネックは、プライバシーの問題だ。


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