ドコモ「下方修正」にNTT鵜浦社長が吠えた 好調新料金プランの”副作用”は大きかった

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ドコモの加藤社長に対しては厳しい声も挙がっている(写真は9月の新表品発表会、撮影:風間仁一郎)

ドコモは今回、中期目標として「17年度に営業益13年度水準(8191億円)以上」を掲げている。ドコモの加藤薰社長は114日、全社員向けに緊急メッセージを配信。利益面で業界最下位ということや新料金プランのマイナス影響に触れつつ、何度も「コスト削減をお願いしたい」「コスト削減が不可欠」などと繰り返した。

 鵜浦社長はそのドコモの目標を最低限とした上で、「短期的にはグループをあげたコスト削減でドコモをサポートし、改善させる」と意気込む。下方修正の原因となった新料金プランについては、「市場の動向を見ながら、内容の調整やマイナーチェンジを考える」(ドコモ幹部)ようだ。

来年2月には光回線と携帯電話のセット割引「ドコモ光」がスタートする。NTT東西が「フレッツ光」の光回線を卸で提供し、ドコモが携帯サービスを組み合わせてユーザーに提供するものだ。ソフトバンクも同様に、NTT東西と組んだ光回線サービスを開始する、と発表している。ただし、こちらもドコモにとって、一発逆転の策になるとは考えにくい。全国シェア7割を誇る、フレッツのユーザーを取り込むチャンスが広がる一方で、割引費用の負担増加が考えられる。また、ソフトバンクなどの他社が同じ料金で追随すれば、差別化につながらないおそれもあるからだ。

NTTグループは近年、「グローバル・クラウド」をキーワードに、持ち株会社やNTTデータ、NTTコムを中心に、海外企業の買収を積極的に進めてきた。その結果、4~9月期の海外売上高は、1906億円増加している。しかし、収益柱のドコモが崩れては元も子もない。決算説明会では、「ドコモはもはや成長しない会社と認めたほうがいいのではないか」「ドコモの加藤社長はグループのリテールを担う中核会社のリーダーとしてふさわしいのか」などといった、厳しい声も上がった。NTTグループに向けられる視線は一段と厳しいものになりつつある。鵜浦社長が言うように、グループ全体でドコモを回復させ、計画値以上の利益をたたき出せるのか。NTTは今後、四半期ごとに、その進捗状況がより厳しく問われることになりそうだ。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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