中韓の「反日」に、どう向き合うか? 第2回 ナショナリズムは「3つのベクトル」で考えよう
このA層、B層、C層の3つの層があって、この真ん中のB層がしっかりお互いに理解し合っていれば、そこには友好が生まれるし、お互いのナショナリズムを相互に認め合うということもできる。そして上のA層、下のC層をたしなめることも可能になってくるんです。
この真ん中の層をきちっと固めるというのが、私は大事だと思うんです。
でも今、残念ながら、その真ん中のB層を固めるということに対して、ちょっと全体の空気が冷たくなっています。
子どもは一緒に遊んでいる
私も、年に何回か韓国や北京に行ったりしますし、友人もいます。
4~5年前、北京にいる私の日本人の友人は、子どもを地元の小学校に入れていたんですね。中国人と一緒に学ばせていた。そうしたら、あるとき、その友人に、学校の先生から電話がかかってきたそうです。
「明日は南京虐殺の話をしますから、あなたの子どもは来ないほうがいいと思うよ」と言うわけです。その先生は、日本人だからというので気を使ってくれたわけです。
でも、私の友人は「どうしてですか? 私の子どもは日本人ですけど、歴史を学んじゃいけないんですか」と言ったそうです。
そして、子どもは翌日学校に行きました。その日、彼の子どもは頭に2~3個、こぶをつくって、泣いて帰ってきました。しかし2~3日すると、子どもはまたワァーと中国人の子どもたちとみんなで遊んでいたそうです。
で、彼は、それでいいんだと言うんですね。2~3発、ぶん殴られても……。
教師から、明日「南京虐殺」を教えるから来ないほうがいいよって言われたからといって、行かないほうがむしろ不自然なんだというのです。ほんとうに親しくなるんなら、行かせる。そして、中国人がどんなことを言うのか聞いて、それで案の定、ぶん殴られ、蹴られ、こぶまでつくって、泣いて帰ってくる。でも、それでいいんだと言うんですね。
私はその話をその友人から聞いて、「お前はいいことをした」と言いました。それがやっぱり、付き合いの原点になるんだろうなぁと。教師の言うとおり行かなかったら、行かない次の日に、また袋だたきに遭うだろうし、尾を引くだろう。けれど、行って、殴り合いのけんかをしても、2~3日すると、またこれが直って、またみんなとワァ~イって遊んでいる。