2004年度も鉄鉱石、原料炭値上げを吸収、増益基調が続く可能性が高い

新日本製鉄、JFEスチールなど大手高炉メーカーと英蘭BHPビリトンなど大手サプラオヤーとの間で行われた2004年度分の鉄鉱石の価格交渉が先週、ほぼまとまった。新価格は豪州・粉鉱石で約36セント(鉄分1%当たり、本船渡し)と、2003年度比18.6%の上昇で、1980年度以降の最高水準。1月初めまでに決着したコークスの原料となる原料炭も約3割の値上げが決定しており、2004年度のコスト上昇要因は、2003年度に比べて原料炭で900億円、鉄鉱石で600億円の合計1500億円に達する見通し。さらにニッケル、フェロクロムなど合金鉄、海上運賃などを含めると、コストはさらに膨らむことになる。だが、これで高炉大手の増益基調が崩れるわけではない。
 鉄鉱石、原料炭で合計1500億円のコストアップ要因は、為替要因などを除外して計算すると、粗鋼1トン当たり1900円弱となる。だが、鉄鉱石、原料炭の上昇は日本の高炉メーカーのライバルとなる韓国のPOSCO、台湾の中国鋼鉄も条件は同じ。中国の新興メーカーの場合、長期契約の比率が低いためコスト上昇幅は日本の高炉大手やPOSCOなどと比べて大きくなり、コスト競争力の点で日本メーカーが劣勢になることはない。 一方、足下の輸出価格は、原料価格上昇による先高感を反映して熱鋼板1トン当たり360ドルと12月までに比べて40ドル程度上昇。造船などに使われる厚板も1トン当たり425ドルと60ドル前後の値上げが実現しつつある。最大ユーザーである自動車向けも、国内向けは国際価格に比べて10~20%割安と言われており、値上げの余地は十分にある。2004年度も増益幅が焦点にこそなれ、増益基調が続く可能性が高いだろう。
【野口晃記者】

(株)東洋経済新報社 電子メディア編集部

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