「離婚は縁切り」で子は幸せか、「共同親権」へ国民的議論を


 親権を持たない親が子供との面会交流を求めても、親権者が強く拒めば面会は難しいのが現状だ。離婚後、定期的な面会交流を行っている親子は4割に満たず、その頻度は月1回程度という調査結果がある。一方、共同親権を原則とする米国などでは、別居の親と「隔週2泊3日」などの面会が一般化しつつある。

さらに、厚生労働省の調査(2006年)では、離婚後、別居の親から子供への養育費の支払いを受けている人は19%にすぎず、過去に受けたことがある人を含めても35%にとどまっている。このことが母子家庭の経済的困窮につながっている。

明治以降の家制度の中で、「離婚は縁切り」との社会通念が広がり、子供にしても別れた親と交流することを了としない風潮があったことは事実である。しかし、年間の離婚件数が25万件を超え、うち子供のいる夫婦の離婚も14万件に及び、毎年約24万人の子供が一方の親と別れて生活せざるをえないという現実がある。欧米での共同親権への移行も離婚の増加が背景だった。

「離婚の増加とともに、女性の社会進出や父親の育児参加などによって親子関係も多様化しているのに、法制度はそれに対応できなくなっているのが現状。法の不整備が紛争を誘発している面も否めない」と、日本の親権制度に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は指摘する。面会交流の可否をめぐって、調停や審判に至るケースはここ10年で3倍強に増えている。この背景に単独親権を挙げる見方は多い。

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