ソフトバンク、営業益予想引き下げの深刻度 孫社長は前向きと強調

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 11月4日、ソフトバンクが発表した2014年4─9月期連結決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前年比19%減の5967億円に落ち込んだ。7月撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 4日 ロイター] - ソフトバンク<9984.T>は4日、2015年3月期の連結営業利益予想を1兆円から9000億円に引き下げた。傘下の米携帯電話大手スプリント<S.N>の業績見通しを下方修正したことを織り込んだ。

ただ、孫正義社長はあくまで前向きな修正であることを強調、中長期的な経営の改善に自信を見せた。

スプリントが3日発表した7─9月期決算は、営業損益が1億9200万ドルの赤字(1株当たり0.19ドルの赤字)だった。赤字額は前年同期の3億9800万ドル(0.24ドル)からは縮小したが、ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストの赤字予想(0.06ドル)よりも悪かった。

孫社長はスプリントについて「目先の利益よりも長期的利益を優先する経営スタイルに変えている」と説明。「中長期的に収益を上げるために、むしろ顧客獲得コストを使い、(料金支払いが見込める)プライムカスタマーを増やしている。このため1000億円ほど見込みよりも減らすことにした」とあくまで前向きな修正であることを強調した。

スプリントは経営を立て直すため、今後2000人削減する方針を打ち出している。

スプリントは改善の兆しも

4─9月期の連結営業利益は、前年比19%減の5967億円に落ち込んだ。前年同期にガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765.T>とウィルコム(現ワイモバイル)子会社化による一時益2490億円を計上した反動が出た。ただ、一時益を除いた実質ベースでは22%増益となった。

売上高は前年比1.58倍の4兆1044億円に拡大。米スプリントや米ブライトスターなどが連結対象に加わったことが貢献した。通期売上高予想8兆円は据え置いた。

孫社長は「スプリント以外の事業部門は読み通りだ」と強調。スプリントについても「長くて苦しい戦いだとは認識している。決して短期に急激に良くなるものではない」としながらも、「すでにEBITDA(利払前、税引前、償却前利益)が反転し始めており、顧客獲得も連続マイナスだったのがプラスに好転し始めている。改善の兆しは見えており、そんなに悲観するような内容ではない」との認識を示した。

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