DRAM“ジリ安”の不安、厳冬に構えるエルピーダ

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終わらない投資競争

供給側では来年、好況期だった09年から10年にかけて各社が投資を決めた増産設備が順次、稼働し始める。新設備の歩留まり向上が順調なら、DRAM価格1ドル割れの可能性すら出てくる。ただそうなった場合、現状でも赤字にあえいでいる一部台湾メーカーが経営危機に陥ることは必至。となると、供給圧力の緩和で再び価格が急騰することもありうる。

先行きに不透明感が漂う中、エルピーダが生き残るには、微細化によって製造コストを引き下げる努力を続けるしかない。今年末までに広島工場の5割を製造費の安い40ナノメートル製品に切り替え、11年3月末までに台湾工場は全面40ナノメートルへ移行する。さらに、次世代30ナノメートルの研究開発や量産投資も待ち受けている。

立て続けの資金調達は、厳冬期も投資競争を続ける覚悟を示しているようだ。

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(山田雄大 =週刊東洋経済2010年10月23日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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