アングロサクソン資本主義の正体 ビル・トッテン著

アングロサクソン資本主義の正体 ビル・トッテン著

単なる電気的信号がマネーとして時空を飛び回り、信用創造という名の下にバブルや恐慌が生まれる。ならば貪欲マネーの暴走をどう防ぐか。「通帳マネー」に代わる「100%マネー」によって問題は解決されるというのが本書の答である。100%マネーの下では銀行は信用創造を行えない。そして、政府内の通貨委員会が通貨を発行し、資本市場から資金を調達した貸出機関が銀行に代わって貸し出し業務を行う。

著者はこの提案は決して非現実的でないと歴史と理論面から力説する。財政破綻、極端な景気変動、銀行倒産もこれで防げるとして批判や疑問に詳細に答えている。トービン税の導入、証券課税、窓口指導の復活など日本経済復活のための提言も行っているが、政策的現実性はともかく、マネーの本質、カジノ経済への対処という点では示唆に富む指摘が多い。ヴェルナー、フーバーなど多くの論者の考えを整理、紹介することも本書の狙いである。
(純)

東洋経済新報社 1680円

    

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