一〇〇年前の女の子 船曳由美著

一〇〇年前の女の子 船曳由美著

知らないのに、なぜか懐かしい。100年前の農村の四季。

この8月、主人公の寺崎テイは101歳になった。手厚い看護を受けて暮している。「貧乏神がはりついていた」にもかかわらず、子ども5人は全員大卒に。そして米寿を過ぎたころから、「けなげに生きた」少女の成長物語を語り出す。

カミナリの落ちた日に、栃木県足利郡筑波村大字高松にて生まれた。実の母を知らず、養女に出される。

正月にはお正月様をお迎えし、雛の節句には哀しい思い出もある。柿若葉のころ、村は忙しくなる。十五夜には月に拍手を打つ。秋が深まり、コウシン様の夜がくる。冬は街道からやってくる。神を畏れ仏を敬う心に満ちた暮らし。

本人は全甲の成績を通し、女学校を受験する村の数少ない子どもに。

主に明治・大正期の少女の成長の日々が、娘の手で鮮やかに描かれる。貧しくも命高らかに生きた人々の物語が胸を打つ。

講談社 1680円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • 「合法薬物依存」の深い闇
  • 井手隊長のラーメン見聞録
  • 最新の週刊東洋経済
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
変わる日立<br>IoTで世界へ挑む

日本を代表する巨大総合電機企業が今、「脱製造業」ともいえる動きに舵を切っています。攻めの主役は「ルマーダ」。社長の肝煎りで始まった独自のIoT基盤です。データを軸にGAFAと組むことも辞さないという改革の成否が注目されます。