外国人投資家は消費増税延期ならどう動くか 真っ二つに分かれる、日本株の相場観
では、なぜ元気がないのか?需給面では12月決算のファンド売りに加え、個人投資家も安値で投げた投資家はもちろんのこと、ホールド作戦の投資家の多くが評価損を抱え、まったく動けないことがあげられよう。
また、材料面では、欧州の景気後退やエボラ出血熱の流行懸念など理由はいくつも考えられる。だが、やはり消費税増税に対する不安感が最大の理由ではないか。底打ちVS上値限定の対立軸は、言い換えれば消費税増税の「実施VS延期」の対立軸となる。
少し前までは、もし増税を延期したら「日本の財政危機が直視され、国債は暴落し、日本売りで株も売られる」という見方が多かった。実際、まだ日本銀行の黒田総裁や財務省、自民党はその考えを持っている。
予定通り実施VS延期、外国人投資家はどちらを望む?
しかし、今は外国人投資家に話を聞いても、「増税延期=即財政不安で日本売り」、とは考えていないようだ。
筆者の印象では、むしろ「半年程度なら、延期の方がかえって良い」とまでに変わってきた感じだ。さらに、本田悦朗内閣官房参与などは、増税は当初案の半年後(2016年4月)どころか、さらに1年延期し、2017年4月が良いと言って、株価はこうした「延期策」で上昇するとまで言っている。
つまり、①2015年10月予定通り実施、②2016年4月に延期、③さらに2017年4月まで延期と言う予測で出てきて、一般投資家は何が何だかわからない状態だ。しかも、上記3つのケースで、それぞれに外国人投資家はどんな投資行動に出るのか?実のところ、フタを開けて見なければわからない。
とはいえ、「わからない」では本コラムの読者に申し訳ない。そこで、筆者の接触できる範囲で感じた外国人投資家の投資行動を、あくまでも個人的見解としてはっきりさせたい。まず①の予定通り実施の時は、黒田総裁と正反対だが「売り」、②の2016年4月に延期の際は「買い」、さらに③のケースは、本田内閣官房参与は上がると言明しているようだが、ファンド筋は売り買い半々となる、と見る。
さて、最後に27日以降、当面の相場を展望しよう。国内のイベントは週末の31日に日銀金融政策決定会合がある。増税実施派の黒田総裁は、ここらで何か新しい策を出すのかどうかが焦点だ。
また、海外の材料では28、29日のFOMC(米連邦公開市場委員会)を筆頭に、7~9月期の米GDP発表など、重要指標が多数発表される。米株は引き続き忙しく上下する可能性がある。当然のことながら、釣られて日本株もなお上下に振れる可能性もありそうだ。
ただ、現在の「底打ちVS上値限定」相場は、どうやら短期間で決着が付きそうだ。25日、75日移動平均線の交差する1万5600円どころまではキャッチアップが可能ではないか。よって日経平均の予想レンジは、安値は1万5000円、高値は1万5700円程度に収まると予想する。
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