埼玉・小川町メガソーラー、大量盛り土への大懸念 経産相が異例の見直し勧告、事業者説明に虚偽疑惑
土が盛られる予定の谷筋を歩いてみた。藪の枯草を払いながら進む。少し先で谷の上方を見上げると、斜面に道のようなものがつけられているのが見えた。かつて一帯で林業が営まれていたころ、あるいは、ゴルフ場建設時に作られた「林道」だろうか。公表された文書と等高線図をつきあわせると、上方約20mにあるこの「林道」よりさらに上まで土が盛られる可能性が高いという。
事業者が作成した環境アセス準備書は、適切に水路を設け、(沢の水や豪雨時に出た水は)ダムの下にある調整池に流れ込むようにする、と記している。しかし、ダムや調整池から歩いて数分の距離にある桜沢川下流域の集落の住民は気が気でない。
福田君代さん(78歳)は「台風が来ればすぐ豪雨になり、昔とは雨の降り方が違う。私の友だちは心配して電話をかけてきます。2019年の台風19号の時は、近くの崖が崩れました。自然な状態でも崩れるんですから。土を大量に搬入して盛り土をしたらどうなるのか。土砂崩れでここも全部押し流されてしまうのでは。子供や4人の孫たちのことを考えると、心配でなりません」と話した。
地盤の安定性をめぐる専門家の指摘
実は、事業予定地内の別の場所には、2019年の台風19号によりもっと大きな崩落が起きた場所がある。崖が幅約40mにわたって4~5m下に落ち、81m先まで崩落した。その崩落現場を、私は2020年3月にたまたま訪れ、写真を撮影した(写真B)。
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