――3回目の接種も始まっていますが、やはり副反応が怖いという人も多いようです。
新型コロナワクチン(mRNA)には、確かに副反応はあります。ただ、アナフィラキシー(重篤なアレルギー反応)は接種後の待機時間を設けることによって対処可能ですし、心配されている心筋炎が起こる確率は高くありません。それでも万が一を考えて、心筋炎になりやすい10〜20代の男性は、より副反応が少ないファイザー製のワクチンを接種するといいかもしれません。また接種後4日程度の間に、高熱や胸の痛み、息切れ、むくみなどが出たら、医療機関にかかってください。
いずれにしてもアメリカ(CDC:アメリカ疾病対策センター)でも、日本(厚生労働省)でも、新型コロナワクチンの副反応が原因となって亡くなった人(因果関係があるもの)は報告されていませんから安全性がかなり高いのは事実です。
――まだ流行真っただ中ですが、ここまで日本は正しかったというか、うまくいったほうだと峰先生はおっしゃっています。もともとマスクや手洗いをすることが大きいのでしょうか?
国の対策がうまくいったというよりも、普段からこまめに手洗いをしたり、マスクをしたりするなど、衛生意識の高い国民性がいい方向へ働いたのではないかと思います。あと日本人は他人との距離が近くないし、スキンシップも少ないし、ホームパーティー開催の頻度も低いし、1人で行動する人も多い。これも三密回避になったのではないでしょうか。
今後、感染しないためにできること
――改めて、今コロナを広げないために、また感染しないためにできることを教えてください。
流行時にいちばん大事なのは、三密回避です。①密閉空間を避ける、②密集場所を避ける、③密接場面を避ける、ですね。感染症は人とルートがあって広がっていくものですから、誰にも会わなければ広がりません。だけど、社会生活を営まないといけないから、人に会うならマスクをして、しっかり手洗いをしてください。
ワクチンの接種も大事です。そして細かい飛沫は空気中に漂い続けることがわかっているので、換気もしましょう。これは当たり前のことに思えるかもしれませんが、当たり前のことをきちんとやることこそ大事なんです。
1981年、京都府生まれ、神奈川育ち。京都大学薬学部、名古屋大学医学部医学科卒業。東京大学大学院医学系研究科修了。国立国際医療研究センター病院、国立感染症研究所等を経て、現在は米国立研究機関博士研究員。医師(病理専門医)、薬剤師、博士(医学)。専門は、病理学、血液悪性腫瘍、感染症の病理診断、ウイルス学、免疫学。
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