「政府の教育データ一元管理」即炎上の残念な実態 成田悠輔氏と考える子どもデータベースの意義

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「政府 学習履歴など個人の教育データ デジタル化して一元化へ」という報道が多くの議論を巻き起こしました。この問題についてイェール大学助教授・成田悠輔氏が独自の視点で切り込みます(写真:msv/PIXTA)

また燃えた。「政府 学習履歴など個人の教育データ デジタル化して一元化へ」というNHKの報道に対し、ハッシュタグ「#教育のデータの一元化に反対します」とともに政府への批判がSNS上で噴出したのだ。

批判の的になったのは、年初に政府が発表した「教育データ利活用ロードマップ」とそれに関する牧島かれんデジタル大臣の会見である。

「何考えてるのか。誰がこういうことを思いつくのか?」「政治がすべきことは、管理の一元化ではない。見るべきは、データではなく、子ども一人ひとりの顔だ」――。

著名人らもSNSでこう過敏に反応した。

今回だけではない。政府がデータ絡みの発表をするたび「政府による国民データの一元管理」といった物々しいキーワードが報道を躍ることが多い。だが、ちょっと冷静になってみたい。いったいどんな「データ」のどんな「一元化」なのだろうか?

なぜ「子どもデータベース」なのか?

今回の論争の背景には「子どもデータベース」とでも呼ぶべき構想がある。教育・福祉・経済などの課題や部局を横断して、子どもと家族に関して自治体が持つ行政データを全国的に標準化された規格でデジタル化し活用しようという構想だ。

なぜ子どもデータベースが大事なのだろうか? 少なくとも2つの目的が考えられる。

まず、経済困窮や心身の障がいなどの困難を抱えた子ども・家庭をデータの力を借りて発見し、能動的にアウトリーチするのを助けるためだ

子どもの貧困や不登校が増える一方、人手不足が深刻化する今の日本。救いを求めている子どもたちに手を伸ばすには、彼らが声をあげて窓口に駆け込んでくるのを待っているだけでは足りない。困った状況にある家庭ほど窓口に来る時間的・心理的余裕さえないことが多いからだ。かといって人海戦術であらゆる学校や公園を人が回るのも無理だろう。

そう考えていくと、旧来の窓口申請方式を超えて、データに埋もれた子どものSOSを自動的に察知し、支援すべき子どもにプッシュ型の支援を行うことで漏れ・格差を防げれば理想的だろう。

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