【産業天気図・スーパー】低価格販売続き主力の食料品は薄利、終始「曇り」止まりへ。回復カギは衣料品

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10年10月~11年3月 11年4月~9月

 スーパー業界は2010年10月から1年間終始、「曇り」にとどまりそうだ。猛暑の影響で飲料等の一部商品の販売は好調だったが、全体としては消費者の低価格志向が打撃。各社はコスト削減で営業利益以下の改善を図る方針だが、売り上げの減少は止まらない状況では改善幅は限定的だろう。

前年に各社がこぞって行った、食料品を中心とした大量値下げはひと段落した。だが、価格の下方トレンドは続いており、価格競争の激しい食料品では粗利益の確保が難しい状況だ。その中、総合スーパー(GMS)各社は高粗利だが不振の続いている衣料品の改革に本腰を入れている。

総合スーパー最大手のイオンは、前シーズンに1000万枚を販売した冬の機能性肌着「ヒートファクト」を、今シーズンはファッション性を強化と色柄の拡大で2000万枚を目標に拡販する。残暑の影響も懸念されるが、7月に先行販売していた北海道地区の店舗では、売れ行きは昨年以上に伸びているという。また、8月からカジュアル衣料で「トップバリュコレクション」という新売り場の展開を開始。コーディネート提案を強化した売り場で、従来1着程度にとどまっていた一回の買い物での販売着数を、2~3着にすることを目標に据えている。商品ではリードタイムを短縮することで流行の変化への対応力も強化し、集客増も狙う。

セブン&アイ・HD傘下のイトーヨーカ堂も、同様に衣料品を強化している。冬の機能性肌着で新商品「ボディヒーター」を7月に投入。前年の約2.3倍の590万枚の販売を目指す。また香港の商社「リー&フォン」と衣料品分野で新たに提携、海外からの調達力を強化する方針だ。

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