【産業天気図・スーパー】低価格販売続き主力の食料品は薄利、終始「曇り」止まりへ。回復カギは衣料品
GMS各社が積極的に取り組んでいる販管費削減は、元来高コスト体質だったこともあり、現状では計画以上の進捗をみせている。そこに、この採算の高い衣料品の販売が順調に進めば、利益が上振れる可能性もある。ただ、GMS衣料品は、ユニクロやしまむらなどの衣料品専門店に長年客を奪われてきた分野だ。専門店各社も、新商品や販促を強化している中で、客を奪い返すのは簡単には行かない。1商品など、点でのヒットにとどまる可能性が濃厚だ。
ただ高粗利の衣料品では、夏物の肌着などで前年実績を上回る分野も出始めている。各社は今後、衣料品の商品開発を強化する方針で、衣料品が本格的に持ち直せば11年度前半に「曇り」から薄日が差す企業が出てくる可能性もある。
食品スーパーは価格競争の激しい食料品が大半を占めるだけに厳しい環境が続く。取引先の見直しなどで、仕入れ価格の抑制を進めているものの、GMSに比べローコスト運営が確立されているスーパーも多く、利益を捻出するのは難しい状況だ。価格競争の少ない生鮮食品や粗利益の高い総菜などで差別化が問われている。
(鈴木良英=東洋経済オンライン)
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