アップルの価値をよく知らない人に伝えたい本質 決算書をどのように見ていけば理解できるか

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企業分析の第一歩は構造を“三位一体”思考で見ること

1つ目は、分析する企業の構造、つまり「投資構造」「収益構造」「事業構造」の3つを見ること。そして、それぞれの構造を知るための情報源が「財務三表」です。財務三表とは貸借対照表(BS)、損益計算書(PL)、キャッシュフロー計算書(CF)のことで、事業構造はBS、収益構造はPL、投資構造はCFに表されます。

そして、2つ目の視点が「財務三表を“三位一体”で見る」こと。これは企業分析の中核といえます。

企業の価値を決める3大要因も“三位一体”

最後に、3つ目の視点が“企業価値を決める3大要因”である「成長性」「収益性」「安定性」を三位一体で見るということ。「企業価値」は企業の評価であり、上場企業の場合は、時価総額や株価などにあたります。企業価値の増大は、企業経営における究極的な目的といえるもので、株主や投資家にとっても非常に重要な指標です。この「成長性」「収益性」「安定性」の3大要因に優れていることが企業価値増大の条件であり、この情報源も決算書のうち、特に財務三表となるのです。

“両利き”思考とは常に両側から見ること

企業分析をするうえで、“両利き”思考も重要なポイントになります。“両利き”とは、 企業の現状を同時に「両側」から分析すること。代表的なものとしては、定量分析×定性分析の“両利き”が重要です。「定量分析」とは、ずばり「決算書分析」のことで、BS、PL、CFの数字を見て“量的”な視点で分析することです。一方、「定性分析」は数字で表せない“質的”な視点で分析することで、企業のミッションや取り巻く環境などをもとに戦略を分析する手法です。

分析の本質は「比較」にある

「決算書を読み解く」と聞くと、難しそう! と考える人もいるかもしれません。

もちろん、最初から決算書に書かれているすべての数字を理解するのは、素人には至難の業です。しかし、わかるところから重要な箇所を読み解き、比較・分析するだけなら、だれにでも簡単にできるのです。

田中 道昭 立教大学ビジネススクール教授

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たなか みちあき / Michiaki Tanaka

シカゴ大学経営大学院MBA。専門は企業戦略&マーケティング戦略およびミッション・マネジメント&リーダーシップ。三菱東京UFJ銀行投資銀行部門調査役、シティバンク資産証券部トランザクター(バイスプレジデント)などを経て、現在は株式会社マージングポイント代表取締役社長。主な著書に『「ミッション」は武器になる』(NHK出版新書)、『アマゾンが描く2022年の世界』(PHPビジネス新書)、『GAFA×BATH 米中メガテック企業の競争戦略』(日本経済新聞出版社)など。

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