新宿駅「小田急百貨店」見守り続けた西口の大変貌 本館は9月末で営業終了、跡地には超高層ビル

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

現在、超高層ビルが林立する「新宿新都心」は、駅西側に広がっていた東京都水道局の淀橋浄水場跡地を再開発したエリアだ。京王プラザホテルは1971年、住友ビルと三井ビルは1974年に開業。1991年には東京都庁第一本庁舎が開庁した。いずれも完成当時は日本一の高さだった。

本館12階「スカイテラス」から見た西新宿(記者撮影)

その都庁移転を見据え、新宿店は25周年を迎えた1988~1990年ごろ、本館の大規模なリニューアルを実施した。「名実ともに新都心となる新宿西口にふさわしい『新都心型総合百貨店』となることを目指した」(同社)という。上層階のレストラン街も再整備して「マンハッタンヒルズ」が1993年5月に完成した。

その後も別館のハルクと合わせたリニューアルや売り場の再編を何度か実施している。マンハッタンヒルズ12階には2006年、新都心の風景が眺められる「スカイテラス」が誕生した。本館は2008年の大幅改装でほぼ現在の姿となった。

ハルクを改装して営業継続

1974年の入社以来、小田急百貨店の施設・店舗デザインを担当してきた松浦博政さんは、リニューアルの仕事のために渡米したこともあった。「ターミナル百貨店は細長い売り場が特徴。営業を続けながらのリニューアルなので大変だった」と振り返る。現在の館内では陽だまりで暖かく、眺めがよいスカイテラスがお気に入りだ。

新宿店は「新宿西口ハルク」(左)で営業を継続する(記者撮影)

半世紀以上にわたり西口エリアの大発展ぶりを見守ってきた新宿店本館は、9月末の営業終了後に解体される。一方、新宿店自体はハルクをリニューアルして営業を続ける。改装後は「食品」「化粧品」「インターナショナルブティック」を中心とした構成となる。

広報担当の野田隆弘さんは「本館の売り場はラグジュアリーから家庭用品まで多種多様で、巨大な新宿駅のターミナル百貨店を象徴してきた。2022年は開店から60周年。創業の地のハルクに戻ることになるが、本館で培ったお客様との思いを大切にしてこれからも店づくりをしていきたい」と話す。小田急線をはじめ新宿駅を利用する多くの人々の思い出に刻まれてきた西口の顔はいま再び、大きく変わろうとしている。

この記事の画像を見る(50枚)
橋村 季真 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
鉄道最前線の人気記事