新宿駅「小田急百貨店」見守り続けた西口の大変貌 本館は9月末で営業終了、跡地には超高層ビル

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小田急百貨店新宿店は1962年11月3日、現在の「新宿西口ハルク」の建物で営業を開始した。本館の全面開業は5年後で、近未来的なロータリーが特徴の西口広場と一体のデザインは建築家・坂倉準三氏による。品川駅西口の再開発のために解体工事が始まった旧ホテルパシフィック東京(1971年竣工)も同氏設立の事務所が手がけた。

開業当時「新宿で最も高い建物」

本館はまず、北側の現・東京メトロ都市開発が所有する8階建ての「地下鉄ビルデイング」部分が1966年9月9日に開業。その後、1967年11月23日に中央・南の小田急のビル部分を合わせて全館での営業を始めた。

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1988年発行の『小田急百貨店25年のあゆみ』は当時を「世界に類例のない立体構造の西口広場を前にして、全館オープンした雄姿は、まさしく飛躍する西口の象徴そのものであった。本館14階のビルは高さ62mの規模をもち、当時の新宿では最も高い建物となった」と振り返る。

オープン初日は早朝から客の行列ができ、午前10時の開店直後に入店者数が2万人に達するほどの大盛況だったが「淀橋警察署をはじめとする関係各位のご協力により大きな事故もなく、無事に閉店時刻を迎えた。この間、制服・制帽姿の小田急電鉄職員による応援警備、混雑整理ぶりは誠に効果的で、さすが小田急と外部からおほめの言葉をいただいた」という。

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