セブン&アイ「そごう・西武売却」その先の超難題 創業事業のイトーヨーカ堂はこのままでいいのか

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そごう・西武には1500億円の有利子負債があることが売却の難点だと言われる一方で、旗艦店舗の不動産価値が非常に高いと言われています。再開発が行われれば西武池袋本店やそごう横浜店はGINZA SIX並みの新時代ショッピングモールに駅直結のオフィス棟とタワーマンションが併設されるような一大不動産開発物件に生まれ変わる可能性もあり、外資系ファンドならば食指を動かすはずだという観測もあります。

さて、このそごう・西武売却と同じ時期に、セブン&アイHDに関して、モノ言う株主からの要求がつきつけられているという報道が目立ちました。

モノ言う株主からの要求

大株主の一角であるアメリカのアーティザン・パートナーズはセブン&アイHDに対してコーポレートガバナンス強化の観点から独立社外取締役を取締役会の過半数とするよう要求しています。そしてセブン&アイHD株式の4.4%を保有するバリューアクト・キャピタルもこの1月25日に取締役会に対して戦略に関する書簡を送付しています。

それによればセブン&アイHDがコンビニ事業に集中した場合、グローバルなチャンピオンになることも可能だと断言する一方で、

「逆にこのまま集中を行わない状況が続けば、当該事業は、平凡またはさらに悪い結果となるリスクすら抱えています」

と論じています。

この文章のポイントは「このまま集中を行わない状況が続けば」という部分です。現在のセブン&アイHDはコンビニ事業に経営資源を集中できていないことが最大の戦略課題だというわけです。そのうえでバリューアクトは社外取締役による戦略的検討委員会を設置して戦略代替案を提示することを要求しています。

セブン&アイHDのコンビニ事業のセグメント売り上げは2022年2月期予想で国内チェーン店売り上げが約5.0兆円、海外チェーン店売り上げが約6.4兆円を見込みます。店舗数は国内が約2万1000店、海外の連結子会社分が約1万4000店なのですが、これ以外にエリアライセンシーで韓国に約1万1000店、タイに約1万3000店、台湾に約6000店、香港に約2600店など合計で約4万3000店のエリアライセンシー店舗を有します。

エリアライセンシーとは現地企業に細かい運営は任せ、ライセンス料をもらうビジネス形態です。エリアライセンシーの有名な例としては(セブン&アイHDの定義とは少し違うかもしれませんが)日本マクドナルドの創業時に藤田商店に大幅に経営権を委ねて日本でマクドナルドが独自展開することで成功した事例があります。

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