台湾で三井アウトレットが「王様」となった理由 徹底した現地化を推進、台湾小売業界の覇者に
「台湾市場は小さくない」
「台湾は大きな市場だ。チャンスがあれば、さらに開発を進めたい」。笑いながらこう話すのは台湾三井不動産の下町一朗・董事長兼総経理(代表取締役会長兼CEOに相当)だ。
三井不動産の勢いは実績を見ればすぐにわかる。2021年12月、中部の中核都市・台中市の三井アウトレットパーク台中港で、第2期エリア開業により約50店舗がオープンし、利用客から好評を得ている。そして旧正月を経て日本でいうところの小正月に当たる「元宵節」直後の2022年2月16日には、三井アウトレットパーク台南のテスト営業がスタート、2月25日にグランドオープン予定だ。
三井アウトレットパーク台南は、台北市隣接の新北市に位置する「林口」、台中市の「台中港」に続いて初の南部進出となる。オープンまでまだ日があるものの、インターネット上ではすでに多くの期待の声が寄せられている。また、北部の林口店でも第2期計画がすでに着工しており、2024年のオープン時には台湾北部最大のショッピングモールになる見通しだ。
三井不動産が台湾で注力しているのはアウトレットの開業だけではない。同社は日本でショッピング、グルメ、娯楽が1カ所で楽しめる複合商業施設「ららぽーと」も展開しているが、その台湾1号店が「三井ショッピングパーク ららぽーと台中(仮称)」としてオープンするという。開業時期は当初の発表より1年前倒しの2022年下半期だ。台中進出後は、台北市南港に、南部・高雄市の鳳山区での開業を予定。アウトレットパークと同様、ららぽーとも北部、中部、南部をカバーする形で展開していく。
「台湾に来て6年、台湾人から『台湾市場は小さい』と聞いてきたが、私たちは台湾市場が小さいとはまったく思っていない」この既成概念をくつがえす台湾三井不動産の下町董事長の言葉は、台湾で驚きをもって受けとめられている。
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