「怖い絵」で人間を読む 中野京子著

「怖い絵」で人間を読む 中野京子著

絵画の正しい鑑賞法は、予備知識なしで作品に向き合うことと教えられる。これでは、気に入った作風の絵ばかり見て飽きるのが関の山と、著者は考える。そこで、「怖さ」の視点から西洋名画33点を選び、その絵が生まれた“時代の目”によって、人間心理の奥底に眠る「恐怖」の側面を浮かび上がらせようとする。

たとえば巻頭のベラスケスによる、スペイン・ハプスブルク家の王子の一見かわいい肖像画。ろうのような白い手がいすの背に「くたっと置かれ」、「はかなげな、でも奇妙なほどに老成した、現世を離れた表情」の女児服姿は何を意味するのか。現代の目や感性を超えた読み解きが進められる。臨場感たっぷりの時代・人間探訪にもなっている。

NHK出版生活人新書 1155円

  

ライフの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • Amazon週間ビジネス・経済書ランキング
  • コロナショックの大波紋
  • iPhoneの裏技
  • コロナ戦争を読み解く
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
老舗「レナウン」が経営破綻<br>アパレル淘汰・再編の序章

名門アパレルのレナウンが民事再生の手続きに入りました。親会社「山東如意」が再建に見切りをつけ、新たなスポンサー探しは難航が予想されます。ほかのアパレルも店舗閉鎖や売り場撤退が予定され、百貨店に多大な影響が出そうです。