ヨーロッパで広がる「オミクロン楽観論」の危険 パンデミックは収束からはほど遠い

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

24日に、元アメリカ対策対策センター(CDC)所長のトーマス・フリーデン氏は、「ワクチン接種と感染の増加が新型コロナウイルス感染症に対する防御を強化している。パンデミック発生以降のどの時期よりも現在、私はパンデミックを手なずける能力に楽観的になっている」とツイートした。

ただし、「もちろん、オミクロン株の感染のしやすさとデルタ株の致死性を併せ持つもっと性悪の変異株が出現しなければの話だが」と付け加えている。

なかなか進まないブースター接種

アメリカでは、オミクロン株が最初に出現した北東部、北中西部の一部、その他の地域ではオミクロン株感染者数はピークに達したようだが、ここ数日、新たな感染者数と入院患者数は横ばいである。

それでも、アメリカの他の地域では、感染者数のたび重なる急増とスタッフ不足のために病院は患者への対応に追われ、今も無理を強いられている。例えば、ミシシッピー州では、州内のほぼすべての急性期病院で定員に近づいている。死亡者数も依然として多い。

アメリカでは、人口の37%がワクチン接種を完了していない。西ヨーロッパでは25%にとどまっている。また、アメリカでは人口の4分の3がブースター接種をまだ受けていないが、西ヨーロッパでは人口の半数に過ぎない。

スコットランドにあるエディンバラ大学のグローバル公衆衛生学講座の責任者を務めるデヴィ・スリダール氏は、アメリカは一部地域に見られるワクチン未接種者の数と集中度のために、正常へと復帰しつつあるヨーロッパのワクチン接種が進んでいる地域よりも危険な状態にあると述べた。

「これらの国では、終わりの始まりと私が考える状況へと向かいつつあり、これを管理できるツールを手に入れている。私たちはこのパンデミックの次の章に入って、緊急危機からより持続可能な危機へと移行しなければならない」と同氏は話す。

イギリスは残りの新型コロナウイルス関連の規制はほぼすべて解除している最中にあり、スペインの首相は、ウイルスと共に「生きることを学ぶ」ことを国民に呼びかけている。ヨーロッパは今後に待ち受けているもののヒントを与えている、とスリダール氏は述べた。

「次の段階の姿がどのようなものになるかに関して、多くの国が私たちに注目している。春夏に向けて私たちはこれを管理できる方法を見つけることができるだろうか?それとも別のサプライズに直面するだろうか?」と同氏は述べた。

次ページパンデミックはいつ終わるのか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事