AIに仕事奪われると怯える人に知ってほしい心得 その限界と可能性を知ったうえで何ができるか
ただ、だからといって安心はできない。
限界の一部は、「不可能ではないが、それを開発するには現状コストが合わない、大型化しすぎる」からという理由によるものもあり、それらはいずれ時間の問題で解決される。そうでなくても、現実に、人間をはるかに凌ぐ頭の回転(=計算能力)と24時間休まず正確に処理や判断が行えるAIがより多くの分野に進出し、今まであった職業を飲み込み、人からキカイへ置き換えられている事実には目を向けておいたほうがいいだろう。
2020年5月のマッキンゼーによるレポート「The future work in Japan」によると、2030年までに技術の進歩により既存業務のうち27%が自動化され、1660万人分の雇用がキカイに代替される可能性があると指摘している。
AI時代のいま、人間に必要なことは?
押し寄せるAIの波を理解し、何かしら動き出す必要がある。
AIの発展と普及が目覚ましい世の中で、「いま人間に必要なこと」は、何なのか?
孫子が語った「敵を知り己を知れば百戦危うからず」の言葉の通り、まずAIが何かを概要レベルでいいので理解し、自分のスキルや立ち位置を考えたあとに、いま安全なのか、を考えることがとても重要だ。
AIを恐れることも、過信することも、いずれも意味がない。
AIを恐れるあまり身動きがとれなくなるのは良くないが、だからといって、AIを身につければ良いとは限らない。
AIの知見を活かしてステップアップすることを勧めるAIの専門家の書籍は多いが、PCの習熟度や、得意/不得意がそれぞれ異なる中で、万人にとって、それが有効とは限らない。
その中で今、私たちはどうしたらいいのか?
実は、今という時代は100年後の教科書にも載るような、「第4次産業革命」という歴史的な時を生きている。
そんな激動の時代を生きている私たちに求められるのは、このうねりの中心であるAIが何かを大雑把でもいいので知り、自分が「できること/できないこと」や「得意なこと/不得意なこと」を知り、今後の自分の生き方や、自分の子供の生き方を再考することだと筆者は考えている。
ニュースや書籍から情報を得る際、健全な危機感のもと、冷静に押し寄せる波の正体を知り、自分ができることを考え、戦略的に考えることが大切だ。この姿勢が10年後、20年後の生活を大きく左右してしまうかもしれない。
そんな重要な時代に私たちは生きている。そのことを頭の片隅に置いて日々情報に触れたり、時々考えたりして頂ければ、キャリア上の生存率が少しでも高くなるに違いない。
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