AIに仕事奪われると怯える人に知ってほしい心得 その限界と可能性を知ったうえで何ができるか

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主人公の上官フューリー長官が、AI搭載の装甲車で街中を運転していると、突如敵に襲撃されるシーンがある。

車両はボロボロになりながらも走り、逃げる。

この時の長官とAIの会話は次の通りだ。

長官:エージェント ヒル(部下)に連絡してくれ。
AI:通信機能が損傷しています。
長官:じゃあ、損傷していない機能はなんだ?
AI:エアコンは完全に機能しています。

この「じゃあ、損傷していない機能はなんだ?」は、いまの状況を切り抜けるのに使える機能はないのか?という意味でAIに尋ねているが、AIは冷静にいちばんダメージを受けていないエアコンの快調さを紹介している。

AIは文脈をとらえる必要のある分野が苦手

このように,現時点における通常のAIは、文脈をとることが苦手なため、時に、人間が置かれている状況に応じた対応ができないことが発生しうる。

AIを含むキカイは、あらかじめ人間がプログラムで指示していることや、リクエストや質問に対して推論して最適なアウトプットを出すように作られているが、「文脈」まで加味してアウトプットを出せるようになるには、まだ少し時間がかかるだろう。

AmazonのAlexaやiPhoneのSiriに話しかけて「よくわかりません」という返答が返ってきた経験を持っている人も少なくないだろう。例えば、「さっき繰り返し聞いていた曲を流して」とリクエストしても、適切に応えてはくれない。文脈を取るのが苦手ということがこの原因だ。

一個人とスマホの間での出来事であればまだいい。これが店舗での接客の場合だと何が起きるのか。

店舗での接客中に「もういいです」と言われた際、「これにします」の意味なのか、怒って「もう結構です」の意味なのかは、表情や文脈をわかっていないと、店員として適切な接客はできない。

怒っている顧客に対して「ありがとうございます!」と返せば、その顧客はもう2度と来店することはないだろう。

うまく文脈を捉える必要のある分野はAIにとっては難しく、トラブルを招きかねない。

このようにAlphaGoで見た消費電力問題や、文脈を把握しづらい特徴を見てきたように、テレビや書籍で注目されるAIにも、限界がある。

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