その後、運命のいたずらによってクリシュと付き合うことになったフローレンス・ヨー。ふたりの恋は燃え上がり、楽しい日々がはじまります。
『Florence』という作品は、この恋愛模様を描くのが非常にうまい。デートでさまざまな場所へ行ったりするだけでなく、恋愛をしているからこその状態がミニゲームで描かれるのです。
例えば、これまでの通勤中は惰性でSNSを見るしょうもない時間でしたが、クリシュとメッセージのやり取りをする大切な時間となりました。退屈だった仕事はサクサクと進むようになり、生活に張りが出てくるのです。
また、クリシュと会話する際にはパネルを組み合わせて吹き出しを作っていくのですが、この表現も秀逸。最初はパネルを作るのが少し難しく会話もぎこちなくなってしまうのですが、慣れてくると簡単なピースばかりになって会話もスムーズにこなせていくのです。
このようにゲームを通じて恋愛の楽しさ、美しさ、変化が丁寧に描かれていきます。
共感した「どちらの私物を棚に置くか」決めるゲーム
私が特に共感したのは「ものを置く場所」について。あるときからふたりは同棲するようになるのですが、そのときに「狭い棚にどちらの私物を置くか決めるミニゲーム」が発生します。
これ、現実でまったく同じことがありました。私は恋人(現在の妻)と同棲するときに本棚をひとつ設置したのですが、遠慮したせいで9割9分は彼女の本やモノで埋まってしまいました。
そして『Florence』のなかでも遠慮しがちになり、本棚はほとんどフローレンス・ヨーの私物ばかりになってしまったのです。
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