セレブが愛する「有名カメラマン」日本移住の経緯 世界の名だたるセレブ撮影してきたレジェンド

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最新のプロジェクトは、ソウルの女王、アレサ・フランクリンについての写真集である。

「アレサと僕は最高の関係を築いていたんだ」とスミスは語る。「アレサが亡くなるまでの13年間ずっと彼女を撮影してきた。時々アレサは夜中に電話をしてきて、新しいCDのタイトルの相談を僕にしてきたよ。アレサは僕が知ってるセレブの中で唯一、人を介してではなく、仕事をするなら直接話したい、っていう人だったんだ」。

フランクリンの晩年についての話はとても感動的で、スミスが彼女に大きな愛情を持っていたことは明らかであり、この写真集が彼女への輝かしい証言となることは間違いない。

写真家としてのスミスは、北極から中国大陸まで、世界中を旅してきた。「突然、中国のクライアントから連絡があり、とあるフォトプロジェクトに雇われたんだ。中国まで私とスタッフ全員をファーストクラスに乗せ、現地で中国人の監督や俳優75人を撮影したよ。北京や上海のあちこちで撮影し、宿泊は高級ホテルが用意されており、信じられないようなことだったよ」とスミスは振り返る。

「ずっと日本に住みたいと思っていた」

スミスにはもう1つ、アジアと大事なつながりがある。4年前に結婚した日本人の妻、マキだ。2人が出会ったのは1990年代だが、付き合うようになったのはそれからずっと後、2014年のことである。その2年後に結婚したのが、現在スミスが日本に滞在している理由の1つだ。

日本でも撮影を行っている(写真:スミス氏提供)

「初めて来た時から日本がとても気に入った、というのも日本に移った理由の1つだ」とスミスは話す。「仕事で世界中を回ったが、日本にはずっと住みたいと思っていて、実際に住むことになるまで20回以上来ているよ。実はマキと私は一緒に住むまで2年以上、遠距離をしていて、最終的にこっちに移り住む決心をしたんだ」。

最後に、写真家としてキャリアアップを目指す人や、本格的な写真家を目指す人へのアドバイスを聞いたところ、こんな答えが返ってきた。

「現在、世界には史上最も多くの写真家がいる。だからこの業界ではとにかく際立ち、しっかりしたビジョンを保ち続けることが大切だ。世界の人口は70億人で、1人ひとりが異なる指紋を持っているように、もし真剣に写真を追求するつもりならば人とは違う独自の指紋を創りあげ、それを生かし自分はほかの写真家とは違うと示さなければならない。自分が他の人とはどう違うのかを見い出し、独自のビジョンを持って撮影に励むようにすれば、いずれかスターになるはずだよ!」

バイエ・マクニール 作家

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Baye McNeil

2004年来日。作家として日本での生活に関して2作品上梓したほか、ジャパン・タイムズ紙のコラムニストとして、日本に住むアフリカ系の人々の生活について執筆。また、日本における人種や多様化問題についての講演やワークショップも行っている。ジャズと映画、そしてラーメンをこよなく愛する。現在、第1作を翻訳中。

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